行政書士試験について

行政書士試験の難易度を学習時間・合格率・偏差値から比較検証!

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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これから行政書士試験を受けようと思った時に、行政書士試験の難易度はどれぐらい高いのかを知りたいですよね。

 

そこで、今回は行政書士試験の難易度について必要な学習時間や偏差値、合格率などを他の資格と比較しながら検証していきたいと思います。

以下で紹介する偏差値・勉強時間・難易度等は、当ブログが独自に調査した結果に基づいて紹介しています。

学習時間・合格率・偏差値等からわかる
行政書士の難易度

 

まずは、行政書士という資格の難易度を知る上での指標としてよく用いられるのが、資格取得に必要な学習時間・合格率・偏差値ですね。

 

行政書士の資格取得に
必要な学習時間

行政書士を取得するのに必要な学習時間としては一般的には600時間程度と言われていますが、実際は800~1000時間程度は必要だと思います。

 

となると、働きながら資格取得を目指す人や、主婦業をしながら資格を目指す人であれば大体1年程度の勉強が必要となってきます。

 

となると、200~300時間程度の勉強で合格できる比較的簡単な資格と比較すると、1年という長期間にわたって勉強しなければいけないので、資格取得を目指す上ではある程度の覚悟が必要だと言えます。

 

行政書士試験の
受験者数・合格者数・合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和元年 3,9821人 4,571人 11.5%
平成30年 39,105人 4,968人 12.7%
平成29年 40,449人 6,360人 15.7%
平成28年 41,053人 4,084人 10.0%
平成27年 44,366人 5,820人 13.1%

行政書士試験の過去五年の合格率の平均は10~15%前後で推移しています。

 

ただ、受験者数が多くても合格者数は毎年4000~6000人程度となっているので、受験者数が多い年は合格率が下がって、受験者数が少ない時期は合格率が下がる傾向にあります。

行政書士の偏差値は62程度

偏差値というのはあくまでの試験を受けたグループのなかで自分がどの位置にいるかの基準を表す数値になります。

 

となると、センター試験のように同じテストを同じ条件で受ける大学入試とは違って、資格によって受験者の能力が違うので一概には偏差値というのは算出されません。

 

だから、あくまでも資格に関する偏差値というのは参考程度に取られてもらうと良いのですが、行政書士に関しては偏差値62程度の能力が必要だと思って下さい。

行政書士試験内容の難易度

行政書士の試験科目は法律科目と一般知識科目の2つに分けられます。

 

まず、法律科目に関しては基礎法学・憲法・民法・行政法・商法と出題範囲は幅広く、特に行政書士試験のメイン科目となる民法や行政法に関しては深い知識が必要とされます。

 

また、一般知識科目に関しても時事問題・政治・経済・社会・IT情報通信・個人情報保護法と、こちらもかなり出題範囲が広いです。

 

しかも、一般知識に関しては足切り点が設けられていて、14問中6問以上正解しなければ、仮に法令科目が満点でも不合格となってしまいます。

 

因みに、出題形式に関しては5者択一、多肢選択式、記述の3種類で出題されるので、当てずっぽ回答して正解するという問題が少ないです。

 

更に、合格基準点に関しては全体の6割を獲得できれば合格なのですが、基礎法学・商法・一般知識に関してはテスト対策が難しく中々高得点が見込めないので、民法や行政法などのメイン科目に関しては7~8割程度の得点が必要となってきます。

 

よく、ネット上では行政書士の資格取得は簡単だと言われますが、これはあくまでの超難関資格と比較すると簡単なだけであって、資格全体で見た場合には難関資格に属する資格だと言えます。

 

 

 

行政書士と他の資格を
学習時間・偏差値・合格率で難易度を比較

行政書士と司法書士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 司法書士
学習時間 1000時間~ 7000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 憲法/民法/刑法/商法/民事訴訟法/民事執行法/民事保全法/司法書士法/供託法/不動産登記法/商業登記法
合格率 10~12% 3%前後
偏差値 62 74

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と司法書士では圧倒的に司法書士の方が難しいです。

 

同じ法律系の資格として比較される行政書士と司法書士ですが、近年の司法書士試験は最難関の国家資格である司法試験に匹敵するほど難易度が高いと言われています。

 

また、行政書士と司法書士では憲法・民法・商法などの科目が被っていますが、それらの問題の難易度も圧倒的に司法書士の方が広く深く出題されます。

 

なので、最終的に行政書士と司法書士の両方の資格を取得したいという場合には、まずは行政書士で法律の基礎知識を身に着けてから、その後に司法書士を取るのがスムーズではないかと思います。

 

 

 

行政書士と公務員試験を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 公務員試験
学習時間 1000時間~ 1200時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 数的処理/文章理解/人文科学/自然科学/社会科学/時事問題/憲法/民法/行政法/ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学/経営学/会計学/統計学/政治学/行政学/社会学/国際関係論/労働法/刑法/商法/心理学/社会学/社会福祉/教育学/社会調査/土木/建築/機械/電気等各専門分野別の専門科目
合格率 10~12% 10~30%
偏差値 62 63

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士試験と公務員試験(国家Ⅱ種試験・地方上級試験)の難易度を比較した場合にはほぼ同じです。

 

合格に必要な学習時間に関しては公務員試験の方が長いのですが、これまでの高校や大学で学んだ内容がそのまま試験に出ることもあり、これまでの勉強の積み重ね次第ではここまで勉強時間は必要ないかもしれません。

 

また、行政書士試験に関しては法律に関する深い知識が問われるのに対して、公務員試験は広く浅い知識が問われる傾向にあるので、どちらの勉強が向いているかによっても難易度の感じ方に違いがあると思います。

 

ただし、公務員試験の出題科目と行政書士試験の出題科目が重複していることから、公務員試験の勉強をしながら行政書士試験を受ける人も珍しくありません。

 

もちろん、法律に関する知識においては行政書士試験の問題の方が難しいのですが・・・。

 

 

行政書士と宅建を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 宅建
学習時間 1000時間~ 500時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 権利関係/宅建業法/法令上の制限/税その他
合格率 10~12% 15~17%
偏差値 62 56

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と宅建を比較した場合には宅建の方が難易度が優しいです。

 

まず、宅建の出題形式に関しては4者択一式の1種類だけなので、仮にわからない問題があっても当てずっぽで当たる可能性は十分にあります。

 

また、宅建に関しては試験範囲が広いものの、試験では基礎知識が問われる傾向が多いもに対して、行政書士に関しては試験範囲も広く、かつ深い知識も問われる点で試験問題の難易度が高いと言えます。

 

その他にも、行政書士試験には法令科目と一般知識で足切りラインが設定されており、その両方の最低基準点をクリアしなければどれだけもう一方で点数が良くても合格できません。

 

 

行政書士と社労士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 社労士
学習時間 1000時間~ 1500時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 労働基準法/労働安全衛生法/労働災害補償保険法/保険料の徴収等/雇用保険法/労務管理/社会保険/健康保険法/厚生年金保険法/国民年金法
合格率 10~12% 5~7%
偏差値 62 65

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と社労士ではそこまで難易度に差はありませんが、強いて言えば若干社労士の方が難易度が高いと言えます。

 

また、社労士も法律関係の勉強が必要となるのですが、その内容はというと労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法など、普段の生活ではあまり関わりのない法律なのでイメージがつきにくいです。

 

一方で、行政書士に関しては基礎法学・憲法・民法・行政法・商法と比較的なじみのある法律を勉強することになるので、行政書士の方が勉強しやすいと言えます。

 

ま~、多くの人が行政書士と社労士のダブルライセンスを取得している事かもら、やはりそこまで難易度に大差がないという事が分かります。

 

 

行政書士と弁護士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 弁護士
学習時間 1000時間~ 10000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 憲法/行政法/民法/商法/民事訴訟法/刑法/刑事訴訟法
合格率 10~12% 20~30%
偏差値 62 76

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

弁護士と行政書士では圧倒的に弁護士の方が難易度が高いです。

 

というよりは、弁護士になるための司法試験というのは国家試験の中でも最難関の資格。

 

資格取得に必要な学習時間に関してもも、弁護士の方が5~10倍以上の学習時間を必要とするので、もはや、比較するまでもないかもしませんね。

 

よく、同じ法律系の士業として分類されることはありますが、レベルが全然違うので全く別物の資格と考えた方がいいです。

 

行政書士に関しては独学でも合格可能な資格ではありますが、弁護士に関してはごくわずかな限られた人でなければ相当厳しいです。

 

 

行政書士と税理士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 税理士
学習時間 1000時間~ 5000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 簿記論/財務諸表論/所得税法/法人税法/相続税法/消費税法/酒税法/国税徴収法/住民税/事業税/固定資産税
合格率 10~12% 12~15%
偏差値 62 71

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と税理士を比較した場合には税理士の方が明らかに難しいです。

 

税理士の試験は『会計科目』と『税法科目』の2つに分けられていますが、会計科目の簿記論と財務諸表論は計算や理論がベースとなって出題されます。

 

行政書士試験に関しては暗記でほとんどの問題を解けますが、税理士に関しては計算などの数学系が苦手な人にとってはかなり難易度が高いと感じるかもしれません。

 

税理士試験は11科目中、必須科目の2科目を含む5科目に合格すれば税理士資格を取得できます。

 

行政書士試験に関してはどれだけ合格点に近い得点を獲得したとしても、不合格であれば翌年もゼロベースで試験を受けなければいけませんが、税理士に関しては一度合格した科目は一生有効なので、数年にわたって少しずる合格を目指していくという事が可能なのです。

 

勿論、1つ1つの科目の難易度が高いので、トータル的にはやはり行政書士よりも税理士試験の方が難しい事に変わりはありませんが。

 

 

行政書士と中小企業診断士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 中小企業診断士
学習時間 1000時間~ 2000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 企業経営論/財務・会計/運営管理/経済学・経済政策/経営情報システム/経営法務/中小企業経営・政策
合格率 10~12% 3~5%前後
偏差値 62 66

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と中小企業診断士の難易度を比較した場合には中小企業診断士の方が難しいと言えます。

 

また、中小企業診断士に関しては1次試験・2次試験にわかれ、1次試験の合格率は15~25%、2次試験の合格率は20%となっているのでトータルで考えると合格率は3~5%となります。

 

中小企業診断士に関しても1次試験をパスできれば、2年間は1次試験免除で2次試験を受けられるで、トータルの合格率で見るよりは難易度は優しいと思います。

 

 

行政書士と土地家屋調査士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 土地家屋調査士
学習時間 1000時間~ 2000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 民法/不動産登記法/土地家屋調査士法/土地について/建物について
合格率 10~12% 8%前後
偏差値 62 64

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士と土地家屋調査士の難易度を比較した場合には、土地家屋調査士の方が難しいです。

 

特に行政書士に関しては比較的世間一般的になじみのある資格なので、法律に興味のある学生や主婦なども受験しますが、土地家屋調査士は補助者や測量士などの実務経験がある人の受験が多いです。

 

つまり、受験者の母集団のレベルが土地家屋調査士の方が高く、かつ合格率が低いことからも土地家屋調査士の方が難しいと言えます。

 

 

行政書士とマンション管理士を
学習時間・偏差値・合格率
で難易度を比較

行政書士 マンション管理士
学習時間 1000時間~ 1000時間~
試験科目 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 区分所有法等/民法等・管理組合の運営/建築基準法等・建築設備/マンション管理適正化法
合格率 10~12% 7~9%
偏差値 62 61

(学習時間はあくまでも目安ですので個人差があります。)

行政書士とマンション管理士を比較した場合、資格取得の難易度はほとんど同じだと言えます。

 

特に、最近ではマンション管理士の難易度が挙げってきており、両方の資格に共通する民法に関しても広く深い知識を試験では問われます。

 

また、マンション管理士と行政書士のダブルライセンスを取得している人も多く、それぞれの資格は相性の良い資格だと言えます。

 

 

行政書士試験の難易度を
学習時間・合格率・偏差値で
比較検証まとめ

 

行政書士と他の資格の難易度を難しい順に並べると上記のようになります。

 

このように、行政書士は他の難関資格と比較すると難易度は比較的優しい試験だと言えます。

 

しかも、行政書士の資格を取得すると独立開業も可能なので、将来的に資格を取得して独立開業したいという人にとっては、行政書士は最もコストパフォーマンスが高い資格だと言えます。

 

中には、『行政書士は食えない』『行政書士資格を取っても意味ない』という人もいますが、それはその人に行政書士資格をいかすスキルがないだけです。

 

どんな資格でも稼げる人もいれば、最難関国家資格である弁護士資格を取得しても稼げない人もいます。

 

要は、どんな資格でもその資格を生かすも殺すもあなた次第なのです。

 

となると、出来るだけ他の資格よりも取得の難易度が簡単で、尚且つ、その資格だけで独立開業が可能な行政書士はかなりコスパが良い資格だと言えるのではないでしょうか?

 

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