この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
国家資格の中でも特に人気の高い行政書士と税理士。
これから資格を取得しようと考えた時にどちらの資格を取得しようかと悩んでしまいますよね。
そこで、この記事では行政書士と税理士の仕事内容や年収、難易度や、それぞれの資格の将来性を元に、あなたがどちらの資格を取得すべきかを解説していきます。
以下で紹介する偏差値・勉強時間・平均年収等は、当ブログが独自に調査した結果に基づいて紹介しています。
行政書士と税理士の違いを仕事内容で比較
行政書士の仕事内容
- 法人設立手続き関係の業務
- 許認可申請業務
- 外国人雇用申請業務
- 各種契約書作成業務
- 遺言・遺産相続に関する書類作成業務
- その他
行政書士は書類作成のプロで、行政機関に提出する書類や権利義務または事実証明に関する書類の作成などをメインの仕事としています。
そして、行政機関に提出する書類の作成に関しては、行政書士と独占業務となっているので、行政書士でなければ行えません。
補足
ただし、行政に提出書類でも、他の法律において制限されている書類については作成できません。
税理士の仕事内容
- 税金の申告や申請
- 税金に関する不服申し立ての代理
- 税務書類の作成
- 税務の相談
- 財務や会計に関するコンサル
- 税務調査委の立ち合い
- その他
税理士は税金のプロで、税金の書類作成や税務の相談、財務や会計に関するコンサルをメインの業務としています。
そして、税務代理・税務署類の作成代理・税務相談に関しては税理士の独占業務となっているので、税理士以外は有料・無料を問わず行うことが出来ません。
行政書士と税理士の違いを試験の難易度で比較
行政書士 | 税理士 | |
勉強時間 | 600~800時間 | 2500~3500時間 |
試験科目 | 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 | 簿記論/財務諸表論/所得税法/法人税法/相続税法/消費税法/酒税法/国税徴収法/住民税/事業税/固定資産税 |
合格率 | 10~12% | 12~15% |
偏差値 | 62 | 71 |
行政書士と税理士を比較した場合には税理士の方が明らかに難しいです。
行政書士試験に合格するのに必要な勉強時間は600~800時間程度と言われていますが、税理士試験に合格するのに必要な勉強時間は2500~3500時間程度と4~5倍の勉強時間が必要です。
また、行政書士試験については条文や判例など暗記がメインとなるのに対して、税理士試験は暗記はもちろん、税金の計算などの数学系の知識も必要となるので難しいと感じる人も多いようです。
しかも、行政書士試験に関してはそこまで頻繁に法改正がされないので、税金に関しては改正が多い為、仮に不合格となってしまうと前回覚えた知識が翌年の試験に使えないということも頻繁に起こります。
そういうこともあってか、税理士試験は11科目中必須科目の2科目を含む5科目に合格すればよく、科目合格制をとっているので一度に5科目に合格する必要はなく、数年にわたって1つずつ合格しても良いことになっています。
税理士は無試験で行政書士とのダブルライセンスが可能
税理士試験は行政書士試験よりも難易度が高いので合格するのが難しいですが、それなりにアドバンテージもあります。
それは税理士資格を有していると、行政書士試験を受けずとも行政書士会に登録することで、行政書士として活動できることです。
つまり、税理士資格を取得することで、何の試験も受けずに行政書士とのダブルライセンスを実現できるのです。
実際、行政書士と税理士の業務との相性はよく、行政書士会に登録して税理士と行政書士とのダブルライセンスで業務を行っている人も多いです。
行政書士と税理士の違いを平均年収で比較
行政書士 | 税理士 | |
平均年収 | 400~450万円 | 550~600万円 |
行政書士と税理士の平均年収を比較した場合には、税理士の方が年収が高いです。
因みに、一般的に言われている平均年収を挙げると、行政書士の平均年収は600万円前後、税理士の平均年収は800万円前後などと言われたりもします。
ただ、これは年収が数千万~数億円稼いでいる人も含めた平均値なので、どうしても平均年収が引き上げられるので実情の年収よりも高くなってしまいます。
なので、上記の表で示している平均年収は平均値ではなく、中央値なのでより行政書士と税理士の実情の平均年収に近いのではないかと思います。
そして、それぞれの資格の年収を平均値で表すと、行政書士の年収は400~450万円と一般企業の会社員と並み、税理士は550~600万円と企業の会社員の平均年収より高い年収が見込めます。
独立開業するなら平均年収は気にしなくてもいい
行政書士も税理士も共に資格を保有していることで独立開業することが可能なので、実際に多くの方が行政書士や税理士として独立開業しています。
そして、もしあなたが行政書士や税理士として独立開業するのであれば、上記で紹介したような平均年収を気にする必要はありません。
行政書士や税理士のどちらの資格においても、独立開業していて年収が数千万円~数億円の人もいるので、その人の能力次第でいくらでも稼ぐことが可能だからです。
行政書士と税理士の将来性を比較
行政書士と税理士の将来性を比較した場合には、どちらの資格においてもあまり先が明るいとは言えない状況です。
なぜなら、行政書士や税理士の仕事というのはAIが得意な分野なので、今後IAIの進化が進む中でそれぞれの仕事が減ることは間違いなからです。
実際に、堀江貴文氏と落合陽一氏の共著である「10年後の職業図鑑」では、10年後になくなる仕事として弁護士や会計士、税理士、社労士などの法律関係の仕事が挙げられています。
つまり、行政書士や税理士だけではなく、それ以外の法律系の資格においても将来はなくなってしまう可能性があるので、今後は資格を持っているだけでは食べていけない時代が来ることが予想できます。
あなたは行政書士と税理士のどっちを取得すべき?
あなたが行政書士と税理士のどちらの資格を取得すべきかというと、あなたが資格を取得する目的によって異なります。
例えば、もしあなたがどこかで事務所や一般企業で正社員とし働くことを前提に資格を取得するのであれば税理士の方が良いです。
なぜなら、行政書士については一般企業での需要がないのであまり待遇の良い就職先は少ないのですが、税理士に関しては事務所や一般企業での需要もそれなりにあるので、ある程度は良い待遇の就職先を見つけることが可能だからです。
また、独立開業が目的なのであれば行政書士の方が良いと言えます。
なぜなら、税理士に比べて行政書士は資格取得から独立までの期間が短いからです。
行政書士は資格取得に半年~1年程度で、合格後はすぐに独立開業するのが一般的です。
一方、税理士の資格の難易度は高いので合格するまでに1~2年は必要となる上、税理士の仕事は専門性も高いのですぐに独立開業せずにどこかの事務所で働いて勉強するのが一般的なので、独立までに3~5年は掛かってしまいます。
もちろん、税理士資格を取得すると、行政書士に登録することが可能になるので独立後は有利かもしれませんが、それはあくまでも税理士に受かった後の話ですからね。
行政書士と税理士の仕事内容・年収・難易度の違いまとめ
今回は行政書士と税理士の仕事内容や年収、難易度などについて比較してきました。
もちろん、それぞれの資格において独占業務があるので、その業務を行う上では資格を取得することが必要となります。
ただ、ここまででも言っているように今後、5~10年先は資格を持っているだけでは食べて言えない時代に突入するでしょう。(実際に、行政書士に関しては既に資格を持っているだけでは食べていけない人も多いです。)
なので、資格だけに固執するのではなく、5年先や10年先に取得した資格をどのようにいかしていくのかも考えながら取得する資格を選んぶことも大切なのではないかと思います。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所