この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
「行政書士試験と公務員試験だと、難易度を比較するとどっちの方が難しい?」
「公務員は行政書士になるのが有利ってホント?公務員は行政書士試験が免除されるの?」
この記事では上記のような疑問の他に、行政書士と公務員のそれぞれの平均的な収入やどちらを取得すべきかについて解説していきます。
以下で紹介する偏差値・勉強時間・平均年収等は、当ブログが独自に調査した結果に基づいて紹介しています。
公務員は行政書士になるのに有利ってホント?
公務員は行政書士になるのに有利なるというのは本当なのかどうかというと、一般の人に比べて公務員は行政書士になるのに有利というのはホントです。
なぜ、公務員が有利なのかというと以下の2つの点が挙げられます。
- 公務員試験の出題科目は行政書士試験の出題科目とほぼ同じ
- 公務員の行政事務を17~20年間担当すると試験が免除される
公務員試験の出題科目は行政書士試験の出題科目とほぼ同じ
公務員試験でカバーできる科目 | 公務員試験でカバーできない科目 | |
法令科目 | 憲法、民法、行政法、商法 | 基礎法学 |
一般知識 | 政治、経済、社会、文章理解 | 情報通信、個人情報保護法 |
公務員が行政書士になるのに有利と言われる最大の理由は公務員試験と行政書士試験の試験科目にあります。
というのも、公務員試験の試験範囲は行政書士試験よりも広く、行政書士試験で出題される科目のほとんどが公務員試験でも出題されます。
まず、法令科目に関しては唯一、基礎法学だけは公務員試験ではカバーできない範囲ですが、それ以外の憲法、民法、行政法、商法については公務員試験でも出題されます。
また、一般知識に関しても、情報通信・個人情報保護法については新たに勉強しなければいけませんが、政治、経済、社会、文章理解に関しては公務員試験の勉強以外に特別に試験対策をする必要はないてぐらいです。
つまり、公務員試験に合格した人は、すでに行政書士試験の出題範囲のほとんどの科目についての知識を有しているので、公務員が行政書士試験を受験するのは一般の人に比べてかなり有利だと言えます。
公務員の行政事務を17~20年間担当すると行政書士試験が免除される
そして、公務員が行政書士になるのに有利と言われるもう一つの理由は公務員を一定期間続けると試験免除で行政書士になれるからです。
行政書士法では行政書士になる資格を有する者として、以下のように記載されています。
第二条 次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者
六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。以下同じ。)又は特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者にあつては十七年以上)になる者
行政書士法の第二条の六では、国または地方公共団体の公務員として17~20年間、行政事務を担当していた場合には行政書士になる資格を有する者として認められているのです。
つまり、公務員として17年~20年間行政事務を担当した場合には行政書士になるための行政書士試験が免除されるのです。
となると、試験を受けずに行政書士になれるという点では、一般の人に比べて公務員はかなり有利だということがいえます。
行政書士試験と公務員試験の難易度は同等レベル!
行政書士試験 | 公務員試験 | |
偏差値 | 62 | 63 |
行政書士試験と公務員試験(国家Ⅱ種試験・地方上級試験)の難易度を比較した場合、難易度は同等程度と言えます。
ただ、それぞれの試験において難しさの傾向が違います。
公務員試験は行政書士試験と比較しても、圧倒的に試験範囲が広く、幅広い知識を身に着ける必要があるという点で難易度が高いです。
一方で、行政書士試験においては公務員試験と比較すると試験範囲は狭いですが、その分、法律に関する深い知識が求められるという点で難易度が高いです。
また、行政書士試験のメイン科目である行政法に関しては条文知識などが問われるのに対して、公務員試験の行政法に関しては実務ベースでの知識が問われるなどの出題傾向の違いもあります。
なので、公務員試験の法令科目は行政書士試験の試験範囲をある程度カバーは出来ていますが、公務員試験の法令科目を勉強しただけでは行政書士試験の法令科目に対応するのが難しく、行政書士試験に合格する改めて行政書士試験対策をした方がいいです。
ま~、中には公務員試験の勉強だけで行政書士試験対策は一切しなくても受かったという人のいますが・・・。
行政書士と公務員の平均年収を比較
行政書士 | 公務員 | |
平均年収 | 400~450万円 | 450~500万円 |
行政書士と公務員の平均比較した場合には、平均的には公務員の方が、平均年収が高いです。
ただ、そもそも公務員と行政書士として独立開業して働くというのは、働き方のスタイルとして真逆な収入の考え方にも大きな違いがある点は理解しておいた方がいいです。
公務員というのは基本的には年功序列で年収が上がってい行くので、年齢を重ねるごとに給料も上がっていきます。
一方、行政書士というのは基本的に独立開業して働く経営者の立場なので、年齢に関係な収入が多い人もいれば少ない人もいます。
因みに、『行政書士の平均年収を4,338人のアンケート調査から徹底分析!』の記事でも紹介していますが、行政書士の10人1人は年収1千万円を超えているといデータも出ています。
なので、安定的に収入を得たいというのであれば間違いなく公務員の方が良いですし、たくさんお金を稼ぎたいというのであれば行政書士を目指してみるのも良いと思います。
行政書士と公務員のどっちになるべき?
行政書士になるか公務員になるかを迷っている人は少ないと思いますが、一応私の見解を紹介しておきます。
まず、行政書士と公務員のどちらになるかを迷っている時点で、行政書士には向いていません。
というのも、行政書士として独立開業するということは、起業をするわけですから、「起業してみようかな~」というようなふわっとした気持ではなかなか成功できません。
実際に、行政書士として開業した人の7割の人は翌年に廃業しているというデータも出ている程で、そんなに甘い世界ではないのです。
なので、「公務員と行政書士のどちらになろうかな?」と悩んでいる時点で、自分は行政書士として独立開業して絶対成功するんだという強い気持ちがないので行政書士になることはおすすめしません。
まとめ
公務員試験と行政書士試験は出題科目などを考えると親和性が高いので、公務員試験を受験する人の中には行政書士試験を受験する人も多いです。
ただし、ハッキリ言って両方を取得しようとするのは時間の無駄です。
公務員と行政書士では試験合格後の働き方が全く真逆なので、まずは何のために公務員試験、もしくは行政書士試験に合格するのかを明確にした方がいいです。
資格というのはゴールではなくゴールに向けたスタートラインに立つためのものです。
だから、公務員になりたいのであれば公務員試験だけに集中すべきですし、行政書士になりたいのであれば行政書士試験の勉強に集中した方がいいですよ。
行政書士の通信講座講座選びで
迷ったら場合はどうしたらいい?
ナガシマガジンでは、現在受講が可能な全17種類の通信講座の費用や講義動画、質問などのサポート体制、合格実績、講師の質に至るまで、通信講座選びで重要となる様々な点で徹底的に比較し、100点満点で採点を行いランキング形式で紹介しています。
行政書士の通信講座選びで迷った際は、是非参考にしてみて下さい!
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所