この記事を書いた人
NAGASHIMA行政書士代表。取り扱い業務は古物商許可、酒類販売免許、産業廃棄物収集運搬業許可。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。
配偶者ビザも就労の時間制限はある?
日本に滞在する外国人は、ビザの種類によって就労できない職種があったり、就労時間の制限があったりします。
では、配偶者ビザで日本に滞在する外国人にも就労できない職種や時間制限があるのかと気になるところではないでしょうか?
先に結論から言っておくと、 配偶者ビザで日本に滞在している場合には働く職種に制限はなく、又、時間制限もありません。
ただ、だからと言って、なんでもかんでもやりたい放題というわけではなく、気をつけなければならない点もあります。
以下では、配偶者ビザで日本に滞在する外国人の就労できる職業や時間制限の注意点、就労ビザから配偶者ビザの切り替えなどの外国人配偶者の就労についてわかりやすく解説します。
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配偶者ビザには就労の
職種制限や時間制限がない
外国人が日本に滞在するためにはビザが必要であり、そのビザの目的に合った活動をしなければなりません。
つまり、外国人は自由に日本で働けるというわけではないのです。
具体的には、外国人が日本で働く場合には一般的には以下の3つのどれかのケースに該当する必要があります。
- 就労ビザで滞在するケース
- 資格外活動が許可されているケース
- 配偶者ビザなどの身分系ビザで滞在するケース
この中で唯一、職種制限や時間制限なく就労することができるのが配偶者ビザ等が該当する身分系のビザで滞在するケースなのです。
そして、それ以外のケースで日本で働く場合には職種の制限か時間制限のどちらかが設けられています。
職種制限がある就労ビザ
就労ビザで日本に滞在する場合には、もちろん日本で就労することができます。
しかし、どんな職種でも働けるかというと決してそうではなく、ビザの申請時に認められた職種の範囲内でしか働くことはできません。
例えば、中華料理のシェフとして就労ビザを与えられた人がコンビニ店員として働くことはできませんし、エンジニアとして就労ビザを与えられた人が居酒屋店員として働くことはできません。
しかし、一方で配偶者ビザは就労ビザとは違って、あくまでも「夫」「妻」「子」という身分に対して与えられるビザです。
ですので、夫や妻という身分での活動が行われている以上は日本での活動に制限はなく、配偶者ビザで滞在する外国人はどんな職種でも働くことが可能です。
就労時間に制限がある資格外活動許可
日本に滞在する外国人は、ビザで決められている活動以外でお金を稼ぐことはできません。
ですが、例外的に資格外活動の許可をもらうと、働くことができるようになります。
具体的には、留学ビザで滞在する留学生のアルバイトや家族ビザで滞在している主婦のパートなどが資格外活動に該当します。
そして、資格外活動が認められる場合には、風俗営業などの一部の職種を除き、どんな職種でも働くことが出来ます。
ただし、職種に制限はありませんが、1週間に28時間以内しか働くことができないという時間制限は設けらえています。
一方で、配偶者ビザには資格外活動許可のような就労の時間制限もありません。
配偶者ビザで就労する場合の
職種制限・時間制限の注意点
まず大前提として、当たり前の事ですが就労制限がないからといって違法な仕事をすることは決して許されません。
これは日本人・外国人に関係なく就労する事は認められません。
むしろ、注意しなければいけないのは、違法ではなくても職種よってはビザの更新に不利になる可能性があるという点です。
例えば、夫に黙ってクラブやバー、スナックのホステスをすることは違法ではありませんが、配偶者ビザの本来の目的である適正な結婚生活を送っていないと判断されて、配偶者ビザの更新が不許可になってしまう可能性はあります。
ですので、配偶者ビザで働くにしても、配偶者としての活動に支障があると判断される可能性がある職業は避けた方が良いです。
又、配偶者ビザには「1週間に28時間以内」というような資格外活動許可のような時間制限はありませんが、もちろん労働基準法における時間制限は守らなければなりません。
その他にも、労働時間が長過ぎる場合には、法律に違反していなくても配偶者としての活動に支障があると判断され、配偶者ビザの更新が不許可となってしまう可能性があります。
ですので、確かに配偶者ビザは日本で就労しやすいビザではありますが、あくまでも婚姻生活を営むことがメインとなるビザですので、その点は注意しなければなりません。
配偶者ビザは離婚した場合には
就労できなくな?
配偶者ビザはここまででも解説したように、職種制限や時間制限がないので日本で働きやすいビザだと言えます。
だから、企業側としても配偶者ビザで滞在している外国人は雇用しやすいというメリットがあります。
ただ、配偶ビザの外国人を雇用する場合でも注意しなければならない点があります。
それは配偶者ビザの外国人が離婚した場合には、配偶者ビザでは日本に滞在し続けられないという点です。
この場合には、配偶者ビザから就労ビザや定住ビザなどに変更する事で働き続けることが可能になりますが、就労ビザや定住者ビザの要件を満たしている必要があります。
万が一、離婚しているにも関わらず配偶者ビザで働き続けている場合には、その外国人は資格外活動罪に、雇用主側は不法就労助長罪に問われる可能性があるので注意が必要です。
特に夫婦関係というのはプライバシー性の高い事ですので、なかなか本人に直接確認しにくいという点はありますが、外国人を雇用する上ではしっかりとその点を把握しておく必要があります。
配偶者ビザで日本に滞在する外国人が離婚した場合のビザの変更については以下の記事を参考にしてください。
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結婚したら配偶者ビザから
就労ビザに切り替えた方がいい?
就労ビザで日本に滞在している外国人が日本人や永住者と結婚した場合、就労ビザから配偶者ビザに変更した方がいいのか悩んでいる人は多いです。
特に結婚後も同じ会社で働き続ける場合であれば、就労ビザのまま日本に滞在し続けることも可能だからです。
結論としては、配偶者ビザに変更しても就労ビザのままでもどちらでも大丈夫です。
ただ、就労ビザから配偶者ビザに切り替える場合にはメリットとデメリットがあるので、それぞれの良い点・悪い点を知った上で判断するのが良いのではないかと思います。
配偶者ビザに変更するメリット
- 職種制限がないので転職がしやすくなる
- 職種制限がないので部署の移動なども可能になる
配偶者ビザのデメリット
- 離婚した場合には就労ビザへの変更が必要
- はじめは更新期間が短くなる可能性がある
就労ビザから配偶者ビザに変更しなくても
永住ビザの優遇措置は受けられる
配偶者ビザは就労ビザよりも職種制限がないので働きやすいというメリットがあるのですが、それ以外にも、もっと大きなメリットがあります。
それは、配偶者ビザから永住ビザに変更する場合には優遇処置が設けられている点です。
例えば、就労ビザで日本に滞在する外国人が日本の永住ビザを取得しようと思った場合、最低でも日本に10年間滞在していなければなりません。
一方で、配偶者ビザで日本に滞在する外国人が日本の永住ビザを取得する場合には、婚姻生活が3年以上でその内1年以上日本に滞在していれば永住ビザを取得することができるのです。
しかし、この優遇措置については日本人や永住者と婚姻している就労ビザで働く外国人にも認められます。
これは〝配偶者ビザ〟に対して認められた優遇措置というよりは、〝配偶者という身分〟に認められた優遇措置だからです。
ですので、日本人や永住者と婚姻した外国人は配偶者ビザに変更しなくても永住ビザへの優遇措置が受けられるので安心してください。
配偶者ビザから永住ビザへの変更について詳しくりしたい方は以下の記事を参考にしてください。
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配偶者ビザの就労に関するまとめ
この記事のまとめ
- 配偶者ビザには職種の制限はない
- 配偶者ビザには就労時間の制限はない
- 離婚した場合にはビザを変更しない限り働けない
- 就労ビザのままでも永住ビザの優遇措置は受けられる
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所