この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
私が行政書士試験の模試を初めて受けた時の感想は・・・「え?行政書士試験ってこんなに難しいの?」でした。
今でも模試の帰り道に愕然としたことをはっきり覚えています。
ただ、その時にふと、「もしかしたら行政書士試験の模試が難しいだけで、本試験はここまで難しくないのかも・・・」と思い、ネットで行政書士試験の模試の難易度を調べました。
すると、「行政書士の模試は本試験よりも難易度が高いから気にしなくていい」という情報がたくさん見つかったので安心しました。
しかし、結論をいうと模試と本試験の難易度はほぼ同じだと考えた方がいいです。
実際に、私は模試を10回受けましたが、本試験は模試と同じか、もしくはそれ以上に難しいと感じました。
以下では、行政書士試験の模試を10回受けた行政書士試験の合格者が難易度について詳しく解説していきます。
行政書士試験の模試の難易度が高いという情報を鵜呑みにしてはいけない
初めて行政書士試験の模試を受けた時、行政書士試験の模試の難しさに少し驚きませんでしたか?
正直言って、私はめちゃくめちゃ驚きました。
なぜなら、模試を受けるまでは自分で過去問を勉強していても、ある程度は問題を解ける知識が身についていたで、模試でもそれなりに問題が解けるだろうと思っていたのに全然わからなかったからです。
そして、初めての模試の結果はというと・・・120点でした。
この時は冒頭でも言った通り本当に愕然として、「あっ、ヤバい。このままじゃ確実に落ちる。どうしよう?」っていろいろ落ち込みました。
そして、たどり着いた考えが「模試の問題の難易度が高いだけで、本試験はここまで難しくないのでは?」という現実逃避でした。
ネットでは本試験よりも模試の方が簡単という意見が多いけど・・・
実際に自宅に帰ってネットで模試の難易度について調べてみると、以下のような意見が出てきました。
- 模試の結果はアテにしてはいけない
- 模試で140点だったけど本試験で210点取れた
- 本試験よりも模試の方が問題が複雑
そして、やっぱり本試験は模試よりも簡単なんだと内心少しほっとしたのです。
しかし、今思えばこういった情報こそあまりアテにしてはいけなかったのです。
なぜなら、行政書士試験はその年によって問題の難易度が全然違うからです。
例えば、予備校が公開している行政書士本試験の平均点を見ると、ここ数年で最も難しい試験だった2014年の平均点は139~146点ですが、ここ数年で最も簡単だった2017年の平均点は158~162点と平均点で20点も差があるのです。
となると、試験が簡単だった年に行政書士試験を受けた人は模試の方が難しいという確率が高いに決まっています。
その情報を鵜呑みのして、あなたが受験する年の試験の難易度が難しかったら目も当てられないですよね。
しかも、ネットでは実際に模試と行政書士試験を受けた人が模試の難易度について語っていればまだいいですが、模試どころか行政書士試験を受験したこともない人が語っているケースもあるので注意が必要です。
個人的な感覚としては本試験は模試の難易度並み
私は行政書士試験の本番を迎えるまでに全部で10回の模試を受けました。
その10回の内訳は以下の通りです。
- LECの模試(予備校受験)・・・6回
- TACの模試(市販模試)・・・3回
- フォーサイトの模試(自宅模試)・・・1回
模試は大手予備校のLECが実施している「到達確認模試」「全日本行政書士公開模試」「ファイナル模試」「厳選!直前ヤマ当て模試」、それに加えて書店で市販されている「本試験をあれるTAC直前予想行政書士」と、私が利用していた通信講座のフォーサイトから直前期に届く確認模試の合わせて10回受けました。
そして、その10回の行政書士試験の模試の得点は以下のような点数でした。
回数 | 模試名 | 点数 |
1回目 | LEC到達確認模試第(第1回) | 120点 |
2回目 | LEC到達確認模試第(第2回) | 138点 |
3回目 | LEC全日本行政書士公開模試(第1回) | 158点 |
4回目 | LEC全日本行政書士公開模試(第2回) | 154点 |
5回目 | TAC直前予想(第1回) | 140点(※記述抜き) |
6回目 | LECファイナル模試 | 172点 |
7回目 | TAC直前予想(第1回) | 180点(※記述抜き) |
8回目 | LEC厳選!直前ヤマ当て模試 | 192点 |
9回目 | TAC直前予想(第1回) | 170点(※記述抜き) |
10回目 | フォーサイト行政書士試験模試 | 212点(※記述抜き) |
上記の※は記述なしでの得点の表記となっています。自宅受験なので記述問題の正確な採点が難しいので、マークのみの採点としています。
自宅受験に関しては記述のみの点数だけですが、記述を合わせると最低でも+10~20点はあると思います。
となると、私が行政書士試験の模試を10回受けた内、最後に4回に関しては合格ラインを超える得点が取れたと言えます。
そして、もし模試の難易度がネットで言われているように行政書士の本試験よりも難しいのであれば、私はある程度余裕のある点数で合格できるということになると思います。
実際に私はネットの情報を信用していたので、本試験を受ける前までは合格できる気満々でした。
しかし、行政書士試験の本試験を受けた当日、本試験の難しさに呆然としました。
結果はというと・・・・182点とかなりギリギリの点数での合格。
正直いって、不合格でも全然おかしくなかったです。(というか、合格発表があるまでは完全に落ちたと思ってました。)
とはいえ、個人的な感覚からすると行政書士試験の模試の難易度と本試験の模試の難易度はほとんど同じぐらいに感じました。
因みに、私が受験したのは令和元年の行政書士試験で、確かに例年に比べると法令科目が難しかったようです。
ただし、一般知識に関してはここ数年の中でも最も簡単だったようで、トータル的に考えると例年並みの難しさのようです。(私は政治・経済・社会が苦手でそこでかなり苦戦しました。)
要するに、模試は本試験よりも難しいと一概に決めつけない方がいいというわけです。
行政書士試験の模試との正しい向き合い方
ここまでに解説したように、行政書士試験には難しい年もあれば簡単な年もあるので一概に模試よりも本試験の方が簡単と決めるけるのは危険です。
なぜなら、模試であまり点数が取れなくても、「本試験は模試よりも簡単だから合格できるかも?」と楽観的になってしまう可能性があるからです。
でも、だからと言って模試の点数が悪くて「自分には行政書士試験の合格は無理かも?」と悲観的になるのも良くありません。
では、行政書士試験の模試とどのように向き合っていけばいいかというと、模試の結果を素直に事実として受け入れ、なぜ点数が悪いのかを分析していくべきなのです。
例えば、模試に出題されるすべての問題が難しいわけではなく、中には絶対に間違ってはいけないような簡単な問題も多数出題されています。
そういった、落としてはいけない問題を間違えていないかをしっかり確認してください。
でなければ、そういった合格者のほとんどが正解するような問題を間違っていて点数が悪いにもかかわらず、模試は難しいからと点数が悪い原因を模試の難易度の責任にしてしまう可能性があるからです。
そういう人は、仮に模試よりも本試験が簡単だったとしても合格することは出来ないでしょう。
なので、模試を受けて点数が悪かった場合には、点数が悪い原因は誰も分からないようなマニアックな問題が出題されたからなのか、それとも自分の知識が足りてないからなのかを分析して、模試と正しく向き合ってください。
まとめ:行政書士の模試は本試験よりも簡単と思わない方がいい
確かに、模試の方が本試験よりも難易度が高い年もあります。
しかし、すべての年において模試よりも本試験の方が難易度が高いというわけではありません。
何より、行政書士の模試は本試験よりも簡単だという認識は本試験に対する油断を招く可能性があり、むしろ危険です。
なので、「本試験が模試よりも簡単だったらラッキーだな」ぐらいの気持ちで、本試験は模試と同じぐらいの問題が出題されると思って勉強に取り組むことをおすすめします。
また、“私の勉強時間に対する模試の点数の推移”についてもっと詳しく知りたい方は『【実際に計ってみた!】行政書士試験に必要な勉強時間の目安は?』を確認してみてください!
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所