行政書士試験について

【昔は簡単だった?】行政書士試験は簡単という噂に隠れた嘘?本当?

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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行政書士試験は国家資格の中でも難関資格に分類される資格です。

 

でも、行政書士試験の難易度を調べていると「行政書士試験は簡単」という噂も結構目にする機会が多いです。

 

一方では「難しい」といわれ、もう一方では「簡単」と真逆のことを言われているわけですが、一体どちらが嘘でどちらが本当なのでしょうか?

 

結論から言うと、『行政書士試験が簡単』という噂はある意味本当で、ある意味嘘です。

 

以下では、行政書士試験は簡単という噂に隠された嘘と本当について詳しく解説していきます。

行政書士試験は簡単という噂は嘘

 

まず、大前提として行政書士試験の難易度が簡単なのか、それとも難しいのかというと、難しいという意見が圧倒的多数です。

 

行政書士試験の合格率は毎年10%前後で、行政書士試験の合格に必要な勉強時間は600~800時間程度と言われています。

 

もちろん、毎日1日10時間程度勉強すれば3カ月という短期間で合格出来ますが、学生などではない限り1日の勉強は2~3時間程度ではないでしょうか。

 

つまり、会社員として働きながらであったり、主婦業をしながら行政書士試験に挑戦するのであれば、合格するまでに1年~1年半はかかってしまいます。

 

また、行政書士試験に合格する人の平均的な受験回数は1~2回程度ですが、試験を3~4回受けても合格できなかったという人もいるぐらいです。

 

もし、本当に行政書士試験が簡単な試験なのであれば、そんなに勉強しなくても一発で合格できるはずですが、そうではないということはやはり難しいと言えるでしょう。

 

なので、こういった観点から考えても行政書士試験が簡単というのは嘘だと言えます。

行政書士試験は簡単という噂はある意味では本当

 

上記でも解説したように、行政書士試験はある程度難易度が難しいというのは事実です。

 

しかし、行政書士試験が簡単だという噂はある意味では本当だとも言えます。

 

どういうことかというと、行政書士試験は他の難関しかと比較した場合には簡単だからです。

行政書士試験は他の難関資格に比べると簡単!

偏差値 資格名 学習時間 合格率
76 弁護士 4500~8000時間 20~30%
74 司法書士 3000~4500時間 3%前後
71 税理士 2500~3500時間 12~15%
62 行政書士 600~800時間 10~12%

行政書士試験は簡単なのか、それとも難しいのかという判断は比較対象によって変わります。

 

例えば、行政書士試験は資格の中では確かに難関資格だと言われていますが、これは他の一般的な資格と比較すると難しいということです。

 

一方で、行政書士と同じく士業として分類される弁護士や司法書士、弁理士、税理士などの超難関資格と比較すると、行政書士は簡単だと言えます。

 

因みに、大学の難易度などで用いられる偏差値で換算すると大体62程度になります。

 

つまり、偏差値70以上あれば偏差値62ぐらいの大学は滑り止め扱いとなるので、偏差値70以上の人は行政書士試験が簡単と感じるかもしれませんね。

 

とはいえ、行政書士試験は法的思考力が試される試験で、大学入試などとは頭の使い方が違うので、そういった人たちにも行政書士試験が簡単だと感じると一概には言えないと思いますが。

 

ま~、でもこの点から考えても行政書士試験が簡単だという人は世の中に一定数はいるということが言えます。

昔は簡単だったから今も行政書士試験が簡単と思っている人も多い

 

今でこそ資格の中でも難関資格に位置する行政書士ですが、今とは違って昔の行政書士試験はかなり簡単だったようです。

 

それこそ、行政書士という資格が今のようにまだメジャーな資格ではなかった昭和時代には合格率が50%前後もあったとか。

 

その印象があるので、昭和世代の方たちは「行政書士=誰でも合格できる資格」と言っている人も多いです。

 

では、一体どういった点で今の行政書士試験と難易度が違うのかというと、以下のような点で違います。

  • 行政書士試験の難易度自体が簡単だった
  • 行政書士試験の受験者の層が違う

 

行政書士試験の難易度自体が簡単だった

昔の行政書士試験の出題形式は択一式だけだったので、勘で回答しても運が良ければ合格することも可能でした。

 

だから、行政書士試験は鉛筆を転がせば合格できる言われてりすることもあったようです。

 

しかし、現在の行政書士試験の出題形式は5肢択一式、多肢選択式、記述式の3パターンで出題されるので、運だけで合格することはまず無理です。

 

しかも、出題形式による難易度の難化だけではなく、試験範囲が広くなった上に、深い知識を問われるようになったので、試験問題自体の難易度も今は昔よりもかなり難しくなっています。

行政書士試験の受験者の層が違う

行政書士試験は絶対評価の試験なので、合格基準点を超えると合格できます。

 

だから、受験者の質が上がっても合格基準点を超えればクリアできるので、受験者の質は関係ないと思われるかもしれませんがそういうワケでもありません。

 

確かに行政書士試験は合格基準点が決まっている絶対評価の試験なのですが、記述式の採点を甘くしたり辛くしたりすることによって合格者数を調整していると言われています。

 

つまり、受験者の質が高くなればなるほど、それだけ合格の難易度も高くなってしまうというわけなのです。

 

そして、昔に比べて今は行政書士試験に司法試験や司法書士試験のリタイア組などが多く受験している為、合格者の質が高くなってきているのです。

 

ま~、要するに、昔の固定概念のまま変わらずアップデートできずに今の世界を見ている人が、「行政書士は簡単」と言っているわけです。

何の根拠もなく簡単と言っている人も多い

 

昔は行政書士が簡単だったというイメージがあるから「行政書士は簡単」といっているのであれば、100歩譲ってまだ納得できますよね?

 

でも、中には資格ビジネス業界のイメージ戦略によって簡単だというイメージを植え付けられているだけで、何の根拠もなく簡単だと言っている人も少なくありません。

 

今はそれなりに行政書士試験は難しいというイメージも定着しつつありますが、前述したように行政書士試験は昔はかなり簡単で、しかも、今のように行政書士の知名度も高くなかったので受験者数は2~3万人前後でした。

 

しかし、平成11年から行政書士事務所を舞台にした漫画「カバチタレ」の連載がスタートし、その後にドラマ化などで行政書士の知名度が一気に上昇ししたのです。

 

その結果、行政書士試験の受験者数は一気に増え、年間で6~8万人の人が受験する人気資格になったのです。

 

ここに目を付けたのが資格ビジネス業界で、テレビコマーシャルなどで行政書士に関する通信講座や教材などの宣伝をバンバン流しました。

 

しかも、その際に「行政書士の資格は難しい」というイメージだと「自分では合格できないかも?」と思って通信講座やテキストを申し込んでもらえないので、「行政書士は簡単」というイメージ戦略を取ったわけです。

 

そして、そのイメージ戦略にまんまとハマって自ら何の情報収集もしなかった人が、何の根拠もなく行政書士試験は簡単と言っているわけです。

 

因みに、「行政書士試験は簡単」と言っている人のほとんどは行政書士試験の合格者ではなく、受験すらしたことない人です。

 

それは水に入ったこともない人が「泳ぐのは簡単」と言っているようなもので、何の説得力もない違憲だという言うことを理解しておくといいです。

まとめ:昔は簡単だったけど今の行政書士試験が簡単というのは嘘

 

最後にまとめておくと、行政書士試験は昔は誰でも受かるぐらい簡単だったというのは確かです。

 

しかし、今現在の行政書士試験の難易度は上がっていて、今現在の行政書士試験を簡単と言えるのは相当頭が良い人だけでないでしょうか。

 

具体的には、既に弁護士や司法書士、税理士などを持っている人や、偏差値が70以上の一流大学を卒業した人からすると、行政書士は簡単かもしれません。

 

ただ、偏差値70以上の人は世の中全体の2%しかいないので、行政書士試験が簡単と言えるのは世の中全体の2%前後しかいません。

 

残り98%の人にとって、行政書士試験は難しい資格だと言えるのではないでしょう。

 

なので、あなたが行政書士の資格を取得しようとしているのであれば、そういった情報に惑わされることのないように、気を抜かず勉強することをおすすめします。

 

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