行政書士試験について

2019年の行政書士試験の難易度の解説と2020年の難易度予想!

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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行政書士試験は実施される年によって試験の難易度が違います。

 

しかも、試験の合格基準が絶対評価なので、その年の試験の難易度によって、合格できるか不合格になるかがもろに影響してきます。

 

では、2019年の行政書士試験の難易度はどうだったのかというと、合格率は11.5%で合格者数は4571人と例年に比べて若干難しい試験だったと言えます。

 

となると、行政書士試験の難易度は2017年から2年連続で合格率が減少しているので、2020年の行政書士試験は難易度が若干簡単になる可能性が高いと予想します。

 

以下では、2019年の行政書士試験の難易度の詳細と、近年の行政書士試験の合格率や合格者数、難易度を分析し2020年の行政書士試験の難易度を予想してみました。

 

行政書士試験は試験の難易度のよって合格率が大きく左右される

 

2019年の行政書士試験の難易度について解説する前に、行政書士試験における試験の難易度の重要性について少し触れておきます。

 

一般的な資格試験の合格基準は大きく分けると、絶対評価基準と相対評価基準の2種類があります。

 

相対評価基準というのは受験者の一定数が合格する前提で試験が実施されるので、周りの受験生のテストの出来と比較することになります。

 

つまり、仮に試験が難しくても他の受験生も解けないので、試験に合格する難易度にはあまり影響は出ません。

 

一方で、絶対評価基準というのは基準点をクリアした人すべてが合格できる試験になるので、試験の難易度が合格できるかどうかに大きく影響されます。

 

そして、行政書士試験というのは300点満点中180点以上が合格点とされている絶対評価基準の資格試験なのです。

 

つまり、その年の試験の難易度によって合格しやすい年としにくい年があるということになるわけです。

2019年の行政書士試験の難易度はやや難しかった

 

毎年、11月の行政書士試験が終わってからすぐに、各予備校や通信講座の講師がその年の試験の難易度がどうだったのかの総評が行われます。

 

しかし、ハッキリ言って、こういった各予備校や通信講座の総評はあまり当てになりません。

 

なぜなら、講師陣はあまりにも行政書士試験に関する知識が豊富過ぎて、どういった問題が受験生に難しくて、どういった問題は受験生が簡単だと感じるかの間隔が鈍っているからです。

 

例えば、あなたが小学1年生のテストの問題を見て、小学1年生にはどの問題が難しくてどの問題が簡単なのかを判断するのは難しいですよね?

 

それと、同じで講師陣も試験問題に慣れすぎていて、その感覚が正確には分からなくなっているのだと思います。

 

実際に各予備校や通信講座の講師陣の総評を比較してもらうとわかるのですが、みんな言っていることはバラバラです。

 

ただ、大体の意見を大まかにまとめると、大手の予備校や通信講座の講師による2019年の行政書士試験の科目別の難易度は以下のようになります。

 

科目 難易度の評価
基礎法学 例年に比べてやや難しい
憲法 例年い比べて難しい
民法 例年に比べてやや難しい
行政法 例年並み~例年に比べてやや難しい
商法 例年よりもやや易しい
多肢選択式 例年よりもやや易しい
記述式 例年並み
一般知識 例年よりも優しい
総評 法令科目は例年よりもやや難しく、一般知識は例年よりも易しい

 

ま~、本当に講師によって、難しいと言っている人もいれば、簡単と言っている人もいるのであくまでも参考程度の考えた方が良いと思います。

予備校の無料採点結果の平均点からも難しいことは分かる

上記はそれぞれの講師の感覚次第なので難しいと感じたり、簡単だと感じたり、人の感覚は曖昧なのでそこまで参考になるものではありません。

 

なので、それよりももっと正確なデータに基づく難易度を紹介していおきます。

 

それが予備校や通信講座で実施されている、行政書士試験の無料採点のデータです。

 

というのも、予備校の中には無料で行政書士試験の採点を実施しくれるところもあります。

 

予備校としても、受験生がどういった問題は正解出来て、どういった問題が間違いやすいのかのデータを取るために無料で採点を実施しているようです。

 

その採点結果が例年と比較して得点が高いのか、それとも低いのかでその年の試験の難易度がはっきりと分かります。

 

全ての予備校がデータを公開しているわけではありませんが、以下は実際に予備校が公開している無料採点の結果の平均点のデータです。

LEC東京リーガルマインド
法令科目平均点 一般知識科目平均点 合計平均点
2013年(平成25年) 119.1点 34.8点 153.9点
2014年(平成26年) 103.1点 32.3点 135.4点
2015年(平成27年) 124.9点 34.2点 159.1点
2016年(平成28年) 112.3点 34.0点 146.3点
2017年(平成29年) 123.7点 38.7点 162.4点
2018年(平成30年) 119.2点 32.7点 151.7点
2019年(令和元年) 108.7点 41.4点 150.1点

 

辰巳法律研究所
法令科目平均点 一般知識科目平均点 合計平均点
2013年(平成25年)
2014年(平成26年) 95.0点 29.7点 124.7点
2015年(平成27年) 116.8点 32.4点 149.2点
2016年(平成28年) 107.6点 31.4点 139点
2017年(平成29年) 119.6点 39.点 158.6点
2018年(平成30年) 113.5点 31.5点 145.0点
2019年(令和元年) 99.0点 37.2点 136.2点

 

上記のように、予備校によって若干平均点は違いますが、例年と比較すると2019年の行政書士試験はやや難しい試験だったということが分かりますね。

 

ま~、だから結果的に2019年の行政書士試験の合格率は〇%になったのだと言えます。

ポイント

因みに、赤字で記載している2014年はここ数年で最も難しい行政書士試験で、例外的に合格点が180点から160点に変更される補正措置が行われました。

補正措置の詳しい内容については『行政書士試験の合格点と合格基準を調整する補正措置を徹底解説!』の記事を参考にしてください。

2019年までの合格率の推移と合格者数から2020年の試験の難易度を予想

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和元年 39,821人 4,571人 11.5%
平成30年 39,105人 4,968人 12.7%
平成29年 40,449人 6,360人 15.7%
平成28年 41,053人 4,084人 10.0%
平成27年 44,366人 5,820人 13.1%
平成26年 48,869人 4,043人 8.3%
平成25年 55,436人 5,597人 10.1%
平成24年 59,948人 5,508人 9.2%
平成23年 66,297人 5,337人 8.1%
平成22年 70,586人 4,662人 6.6%
平成21年 67,348人 6,095人 9.1%
平成20年 63,907人 4,133人 6.5%
平成19年 65,157人 5,631人 8.6%
平成18年 70,713人 3,385人 4.8%

2020年の行政書士試験の難易度を予想する上では、過去の行政書士試験の受験者数や合格者数、合格率の傾向がかなり参考になります。

 

何故なら、これまでに実施された行政書士試験というのは昨年と比較して合格率が上がれば翌年は合格率が下がるというように、昨年、一昨年前の試験の合格率と相関関係があると考えられるからです。

 

因みに、ここ10年ぐらいの行政書士試験の受験者数や合格者数、合格率は以下のような傾向にあります。

 

  • 受験者数・・・減少傾向
  • 合格者数・・・4000~6000人で推移
  • 合格率・・・上げ下げを繰り返しながら増加傾向

 

受験者数は年々減少傾向にありますが、合格者数は毎年4000~6000人程度いるので、合格率は上げ下げを繰り返しながら全体的には上昇傾向にあります。

 

となると、2017年と比較して2018年、2019年と合格率が減少傾向にあるので、恐らく2020年に関しては若干合格率が上昇するのではないかと予想できます。

2020年は法律科目が易しく、一般知識が難しいくなると予想

予備校の無料採点結果を見てもらうとわかるのですが、2019年は法律科目が例年に比べて難しく、一般知識は例年に比べて簡単な年だったと言えます。

 

しかも、2019年の一般知識に関しては最高レベルに簡単だったと言われる程なのですが、それには2018年の一般知識の問題が関係している可能性が高いです。

 

というのも、2018年の一般知識が例年とは全く違った実務よりのイレギュラーな出題で難しいかく、かなり批判が多かったようです。

 

だから、2019年の一般知識はかなりオーソドックスな簡単な問題を出した可能性が高いと言えます。

 

という事は、前年の流れから翌年の傾向が予測できるわけですね。

 

となると、2020年の行政書士試験に関しては法律科目に関しては例年並みか、もしくは若干簡単になり、一般知識に関しては難しくなる可能性が高いのではないかと予想できるのではないでしょうか。

まとめ

 

行政書士試験で合格するためには、一定の実力が必要になります。

 

ただ、絶対評価基準を採用している行政書士試験においては、その年の試験の難易度によって合格できるかどうかが大きく左右されるので合格しやすい年と合格しにくい年があると言って良いと思います。

 

そして、2019年の試験の難易度や、過去10年間ぐらいの受験者数や合格者数、合格率の推移から予想すると、2020年は試験の難易度が比較的簡単な受かりやすい年になるのではないかと思います。

 

なので、もし行政書士試験の受験を考えているのであれば、2020年は当たり年になるかもしれないのでチャレンジしてみるのもアリだと思います。

 

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