行政書士試験について

行政書士試験の合格点と合格基準を調整する補正措置を徹底解説!

この記事を書いた人

長島 雄太

NAGASHIMA行政書士事務所

行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。

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「行政書士試験の合格点は何点?」

「行政書士試験には合格基準点を調整する補正措置があるってホント?」

 

これから行政書士試験を始めるのであれば、まずは行政書士試験の合格基準点が気になるところだと思います。

 

では、行政書士試験の合格点は何点なのかというと300点満点中180点以上を獲得することで合格できます。

 

ただし、180点以上を取った人すべてが合格できるわけではなく、科目別の基準点をクリアしておく必要があります。

 

更には、行政書士試験の合格点は毎年180点以上なのですが、試験の難易度によって合格基準点が変更されえる補正措置がとられることもあります。

 

そこで、この記事では行政書士試験の合格点や科目別の基準点、補正措置の詳細について詳しく解説していきます。

 

行政書士試験の合格点は300点満点中180点以上

出題形式 問題数 出題形式別配点
基礎法学 択一式 2問 8点
憲法 択一式 5問 20点
多肢選択式 4問 8点
民法 択一式 9問 36点
記述式 2問 40点
行政法 択一式 19問 76点
多肢選択式 8問 16点
記述式 1問 20点
商法 択一式 5問 20点
一般知識 択一式 14問 56点
合計 60問 300点

 

行政書士試験は毎年1回11月に実施され、試験科目は法令科目と一般知識科目の2つに分かれています。

 

  • 法令科目・・・基礎法学、憲法、民法、行政法、商法
  • 一般知識科目・・・政治、経済、社会、文章理解、IT・情報通信、個人情報保護

 

行政書士試験の問題数は60問で300点満点。

 

試験問題の出題形式は5者択一のマークシート方式だけではなく多肢選択式記述式の問題も出題され、出題形式によって配点が違います。

 

そして、行政書士試験に合格する為には、300点満点中180点以上の得点を取らなければなりません。

180点を超えても科目別の足切りラインをクリアしないと不合格

 

さらに、行政書士試験には合計得点が180点を獲得しても、科目別の基準点をクリアしなければ不合格となってしまう足切りラインが設けられています。

 

行政書士試験の足切りラインの基準は行政書士試験研究センターによると以下のよううになります。

 

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以
  • 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上

 

つまり、法令科目は満点が246点なので123点以上、一般知識科目は満点が56点なので22.4点以上取らなければ、合計が180点以上でも不合格となります。

 

ま~、ただし、法令科目が123点以下であれば、一般知識科目を満点取ったとしても最高で179点にしかならないので合格基準点の180点以上を得点することは出来ません。

 

となると、科目別の足切りラインというのは実質的には一般知識科目だけに設けられていると言えます。

試験が難しいかった場合には合格点を調整する補正措置があることも・・・

 

行政書士試験が国家資格になって以来、何度か試験制度変更に伴い試験時間や試験科目、出題形式が変更されてきました。

 

ただ、そんな何度も試験制度が変更されてきた中で、合格基準点はこれまでずっと全体の6割以上で設けられていました。

 

しかし、平成26年度行政書士試験においては、全体の6割以上の合格基準点が例外的に調整して合格者数を増やす補正措置が行われました。

 

その行われた補正措置の内容は以下の通りです。

  1. 試験全体の得点が180点以上⇒166点以上に変更
  2. 法令科目の合格得点が123点⇒110点以上に変更
  3. 一般知識の合格得点は22.4点のまま変更なし

 

これは、平成26年度に実施された行政書士試験の問題の難易度を評価し、例外的に補正措置が講じられたものです。

 

でも、冷静に考えたらおかしくないですかね?

 

「行政書士試験の問題の難易度を評価し」って、自分たちで問題を作成しておきながら、試験後に問題の難しさを評価して基準点を下げてるわけですからね・・・。

 

ま~、かなり例外的なことではありますが、行政書士試験の問題が難しすぎた場合には合格基準点が変更される補正措置が行われる可能性も0ではないということです。

令和2年(2020年)実施の行政書士試験の補正措置の可能性は?

 

では、令和元年(2020年)に実施された行政書士試験の補正措置の可能性はというと・・・補正措置の可能性は極めて低いです。

 

理由として、令和2年の試験は補正措置が行われなかった昨年よりも難易度が優しいという評価が多いからです。

 

令和2年(2020年)の行政書士試験に関して、色々な予備校や通信講座が行っている総評を確認する限りでは、昨年の行政書士試験よりも比較的優しかったという評価が多いです。

 

因みに、昨年の令和元年に行われた行政書士試験については、法令科目は確かに補正措置があった平成26年度の行政書士試験と同じように難しかったのですが、その一方で一般知識科目に関してはここ最近では最も簡単だった為に、トータル的な試験の難易度としては例年並みとなっていました。

 

実際に、大手予備校のLEC行われている採点結果では以下のようなデータが出ています。

法令科目平均点 一般知識科目平均点 合計平均点
2013年(平成25年) 119.1点 34.8点 153.9点
2014年(平成26年) 103.1点 32.3点 135.4点
2015年(平成27年) 124.9点 34.2点 159.1点
2016年(平成28年) 112.3点 34.0点 146.3点
2017年(平成29年) 123.7点 38.7点 162.4点
2018年(平成30年) 119.2点 32.7点 151.7点
2019年(令和元年) 108.7点 41.4点 150.1点

 

上記の表を確認してもらうと分かるように、令和元年の行政書士試験の法令科目はここ数年の中でも補正のあった平成26年に次いで難しかったのに対して、一般知識はここ数年で最も簡単な年だったのです。

 

そして、結果的な合計得点の平均点は例年並みの150点前後となっているので、令和元年の行政書士試験は補正措置がありませんでした。

 

つまり、令和元年よりも難易度が優しかったという評価が多い令和2年に関しても、恐らく補正措置は行われない可能性が高いと言えます。

 

ただ、行政書士試験の総評はハズレている事も結構あるので、実際には大手予備校で行われる無料採点結果の平均点を確認するまでは難易度の正確な評価は難しいかなと思います。

 

ですので、補正措置があるかどうかは、予備校から発表される無料採点の平均点を確認してから判断するのがいいのではないでしょうか。

令和元年(2020年)の行政書士試験で補正措置が行われるなら発表はいつ?

 

令和2年(2020年)の行政書士試験で補正措置が行われる可能性は上述の通り、極めて低いですが行政書士試験センターから公表があるまで絶対にないとは言い切れません。

 

行政書士試験センターがどのような意図で補正措置の実施するか否かを決定しているのか分かりませんからね。

 

では、仮に令和2年(2020年)の行政書士試験で補正措置が行われた場合に、補正措置が実施されるかどうかはいつ発表されるのかというと、合格発表の時に行政書士試験センターのホームページで公表されます。

 

つまり、令和2年(2020年)の行政書士試験でいうと、補正措置がある場合には令和3年の1月27日に発表されることになります。

まとめ

 

これから行政書士試験を受けるのであれば、まずは合格基準点である180点を目標に勉強をすすめてください。

 

そして、行政書士試験で180点を目標として勉強を進めていく上で注意しなければいけない事は、それぞれの科目の配点から重要度を見極めて勉強していくということです。

 

行政書士試験でいうと、特に行政法と民法が最も配点が高く重要度が高いので、勉強時間の多くを行政法と民法に費やすことで効率的に行政書士試験に合格することが可能になります。

 

なので、行政書士試験の合格を目指して勉強する際には、それぞれの科目でどれぐらいの得点を目標にし、どのようなスケジュールで勉強していくかを事前に計画することをおすすめします。

 

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