この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
行政書士試験において民法は行政法と並んで最重要科目の1つで、民法と行政法をどれだけ攻略できるかで行政書士試験に合格できるかが決まると言っても過言ではありません。
しかし、民法というのは出題範囲も広い上に、深い知識も出題されるのでむやみやたらに勉強していても効率が悪いです。
そこで、以下では民法のロジカルな超効率的勉強法を紹介していきます。
行政書士試験における民法の概要と出題形式を知る
敵を知らずに敵を倒すことは出来ないですよね?
だから、民法を攻略するためには行政書士試験における民法を知る必要があります。
特に、出題形式や出題傾向をしっかりと知った上で勉強することが、効率的に勉強するためにはの第一歩となります。
行政書士試験の民法は5つの選択肢の中から正解を選ぶ5肢選択式で9問、問いに対して40字程度の文章で回答する記述式で2問出題され、配点は以下のようになっています。
- 5肢択一式・・・1問4点×9問=36点
- 記述式・・・1問20点×2問=40点
- 試験全体での割合・・・25%(76点/300点満点)
民法の割合は行政書士試験全体の4分の1の配点を占めており、行政書士試験においては絶対に落とせない科目です。
つまり、行政書士試験に費やす勉強の内、最低でも4分の1の時間は民法に費やす必要があるということです。
また、民法の5肢選択式の出題傾向としては以下のようになっています。
出題傾向
- 民法総則・・・2問
- 物権・・・2問
- 債権・・・4問
- 親族・・・1問
行政書士試験の民法における5肢選択式では、特に債権分野から多く出題される傾向があります。
ただ、記述式に関してはどの分野から出るかはわからない上、かなり深い知識を問われることもあります。
だから、民法はすべての分野においてまんべんなく深い知識を勉強する必要があります。
効率的な勉強法のロジックを知る
民法の勉強法を紹介する前に、先にすべての勉強における超効率的な勉強法を紹介しておきます。
それはどんな勉強法なのかというと「アクティブラーニング」です。
これはメンタリストのDaiGoさんの著書である「超効率勉強法」で紹介されている勉強法で、アクティブ(積極的)にラーニング(学ぶ)ことです。
では、積極的に学ぶというのはどういうことなのかというと、具体的には以下の2つを意識することです。
- 再言語化(深く理解すること)
- 想起(思い出すこと)
再言語化(深く理解すること)
再言語化というのは学んだ内容を自分の言葉に置き換えることです。
例えば、民法の93条は心裡留保の条文ですが、条文では以下のように記載されています。
第93条
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
法律の条文というのは難しい言葉で表現されていることが多く、条文を読むだけで何となく意味を理解できても、それだけでは深く理解することが難しいです。
なので、そこから更に再言語化することで、深く理解していくことが出来ます。
心裡留保の場合だと、以下のように自分の言葉に置き換えます。
車を売る意思がないのに、冗談で車を売ると言った場合には基本的にその契約は有効になる。ただし、車を買う人が冗談であると知っていたり、知ることができた時は無効になる。
このように具体例を出したり、分かりやすい言葉に言い換えるようにします。
これがなぜ重要なのかというと、内容を理解できていなければ再言語化できないからです。
つまり、自分の言葉で言い換えることを意識することで、より内容を深く理解しようと脳が働くのです。
想起(思い出すこと)
想起というのは物事を思い出すことを言うのですが、脳は思い出そうとするときに記憶として定着するようにできているのです。
脳の記憶容量というのは1ペタバイトあると言われており、これは32GBのiPhoneが3万2千個分の容量です。
これだけの容量があるにもかかわらず、人はなかなか物事を記憶することが出来ません。
それはなぜかというと、脳は重要だと判断した内容だけしか記憶ないようなメカニズムになっているからです。
例えば、飲食店で見たメニューの値段や友達の来ていた服のデザイン、通り過ぎた車のナンバーをすべて覚えてしまうと脳の容量がすぐにいっぱいになってしまいますよね?
だから、重要でない情報に関してはすぐに忘れるようになっているのです。
そして、思い出すという行為は脳がその情報は重要な情報であると認識する作業となるので、何度も何度も思い出すことで情報が記憶として定着していくのです。
行政書士試験における民法の超効率的な勉強法
上記では超効率的な勉強法のロジックを紹介しましたが、民法を超効率的に勉強するためにはこの「再言語化」と「想起」を上手く活用しながら勉強していく必要があります。
特に、民法のインプットに関しては「再言語化」を活用し、アウトプットに関しては「想起」を活用することで超効率的に民法を勉強することが可能になります。
因みに、勉強におけるインプットはテキストを読んだり講義を聴いたりすることで、アウトプットは過去問や問題集を解いたりすることで、インプットとアウトプットの割合はインプット:アウトプット=3:7ぐらいを目安に行うと良いです。
中には、テキストの再読や講義の受講を勉強のメインにしている人が多いですが、この勉強スタイルだと“思い出す”という作業がないので記憶として定着せず効率が悪いのです。
だから、勉強する際にはテキストや講義をメインではなく、過去問や問題集をメインに勉強してください。
行政書士試験の民法の超効率的なインプットの勉強法
民法でまず最初にすべきは民法の全体像の把握です。
予備校や通信講座を利用している人は、一番初めに一通り講義をサラッと流す程度に受講し、完全独学の人に関しては自分が使っているテキストを流し読み程度に一読してください。
例えば、家を建てる時に家の全体像を設計せずに、いきなり壁を作っていかないですよね?
これと同じで、全体像が分からないままそれぞれの分野を勉強したら、関係性がイマイチ理解できなくなってしまう防ぐためです。
そして、民法の学習内容を一通り把握したら、次はそれぞれの分野ごとに詳しく勉強していきます。
その際に活用するのが「再言語化」です。
講義やテキストで学んだ内容を自分の言葉に言い換えていきます。
イメージとしては小学6年生に今学んだことを説明してあげるようなイメージで言語化します。
因みに、この時に上手く説明できない場合にはその内容が理解できていないということなので、上手く再言語化できるまで理解を深めていきます。
そして、この時に注意してほしいのが無理やり覚えようとしないことです。
ここまでにも何度も言っているように、インプットというのは暗記を目的とするものではなく理解を目的てして行うものなのでその点を互角しないようにしてください。
行政書士試験の民法の超効率的なアウトプットの勉強法
行政書士試験の民法における超効率的なアウトプットの勉強法はとにかく過去問を解くことです。
前述しましたが、勉強をする際のインプットとアウトプットの割合は3:7程度です。
行政書士試験の合格者の平均勉強時間は600~800時間などと言われたりもしていますが、この時間で言うと400~600時間は過去問を解くことに使います。
実際に、私も行政書士試験の勉強をする際には、その大半の時間を過去問と問題集を解くことに費やしました。
また、「問題を解く=アウトプット」というイメージが強いかもしれませんが、分からない問題が出てきた場合にはテキストや参考書を調べることになるのでインプットの要素も大いにあるのです。
行政書士試験の民法の超効率的な記述の勉強法
行政書士試験の民法において軽視できないのが記述の問題です。
行政書士試験では3問出題される記述の内、2問が民法から出題され、配点も40点とかなり高いです。
毎年、受験生の中には「記述でもう少し点数が取れていれば合格できたいたのに・・・」という人が本当にたくさんします。
そうならない為にも民法の記述対策をしっかりとしておく必要があるのですが、記述対策として特別何かをする必要はありません。
民法の過去問を解く際に「なぜ?」を言語化して解いていくだけで十分なのです。
例えば、以下のような問題の場合・・・
【問題】以下の内容は妥当か、どれとも妥当でないか。
A、B、Cの3人が同じ持ち分で共有している建物を売却する場合、共有者の持分の価格により過半数で決定する。
この問題に対する回答は「×」です。
ただ、ここで〇か×だけで回答するのではなく、「なぜ、×なのか?」も言語化して回答します。
【回答】
共有者の持ち分価格の過半数で決定するのは保存行為であり、建物売却のような変更行為は共有者全員の同意が必要だから。
こうすると、〇×だけで回答するよりも圧倒的に時間は掛かるのですが、理解度と記憶の定着力が抜群に上がり、かつ、民法の記述問題への対応力も身につくのです。
行政書士試験における民法の超効率的な勉強法まとめ
行政書士試験における民法の超効率的な勉強法において最後に簡単にまとめておきます。
まずはじめに、民法を勉強する際には全体像を把握したうえで、それぞれの分野において詳しく勉強していきます。
そして、詳しく学んでいく際には「再言語化」することを心がけ、小学6年生に説明しても理解してもらえるぐらいの言葉に言い換えます。
再言語化によって学んだ内容の理解が深まったら、後はとにかく過去問を何度も何度も繰り返し解いてていきます。
その際に、「なぜ、答えがそうなるのか?」についてもしっかりと理由を言語化するようにしてください。
後は、インプットとアウトプットの割合と3:7になるぐらいにバランスよく勉強していけば大丈夫です。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所