この記事を書いた人
NAGASHIMA行政書士代表。取り扱い業務は古物商許可、酒類販売免許、産業廃棄物収集運搬業許可。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。その後、行政書士資格を取得して行政書士事務所を開業。
配偶者ビザの申請をして不許可になる人の多くは、「質問書」がしっかりと記入できていません。
というのも、「質問書」は配偶者ビザの審査をする上で最も重要と言っても過言ではない書類であり、それにも関わらず、多くの人が質問書の重要性を知らずに何となく作成しているからです。
ですので、配偶者ビザの質問書は、かなり丁寧に時間をかけて、正しい書き方で作成するようにしてください。
又、質問書を作成する際には、嘘の内容を記載するのは絶対にやめてください!
嘘が発覚した場合には、申請が不許可になるのは勿論ですが、在留資格不正取得罪等の罪に問われる可能性もあります。
この記事では在留資格・ビザ申請の専門家である申請取次行政書士が配偶者ビザの質問書の書き方と注意点について記入例を交えながら分かりやすく解説します。
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配偶者ビザの質問書を書く時の注意点
配偶者ビザの申請に必要となる質問書ですが、質問書の1ページ目には以下のような注意書きがあります。
この質問書は,提出された申請の審査のために答えていただくものであり,重要な参考資料となります。回答に当たっては,各質問について該当するものにチェック□レ又は○印で囲み,その他記入部分については,できるだけ具体的に,かつ詳しく記載・説明してください。なお,事実に反する記入をしたことが判明した場合には申請人に係る審査上不利益な扱いを受ける場合や罪に問われる場合がありますので,提出前に,記載内容に間違いがないことを確認し,ご自身で署名してください。
上記を見てもらうと分かるように、わざわざ注意書きを記載し、「質問書」が申請の審査に重要な資料であること示してくれています。
逆に言うと、重要な資料であるにも関わらず、しっかりと作成できていない場合には不利に審査される可能性があるというわけです。
実際に、行政書士がビザ申請の依頼を受けて書類を作成する場合には、申請書は勿論ですが「質問書」についてもかなり入念に作成します。
ですので、ご自身で配偶者ビザの申請をする場合には、説明書きにもあるように、できるだけ具体的に詳しく、そして分かりやすく記入するようにして下さい。
又、質問書を作成する際には絶対に虚偽の内容を記入しないでください!
入国管理局は、虚偽の申請や虚偽の証拠提出を最も嫌います。
仮に、配偶者ビザにおける他の全ての要件を満たしていたとしても、虚偽事実の記載や虚偽の証拠を提出したという事実だけで不許可になることも珍しくありません。
そして、悪質なものについては在留資格不正取得助長罪や営利目的在留資格等不正取得助長罪に該当する恐れもあります。
ですので、質問書を作成する場合には絶対に嘘の内容を記載しないようにしてください。
配偶者ビザの質問書の書き方と記入例
それでは、ここからはいよいよ質問書の記入例を交えながら質問書の書き方を解説していきます。
まず、質問書については法務省のホームページにアップロードされている『質問書』から書類をダウンロードしてください。
そして、この質問書は日本人配偶者が作成することが前提となっている書類ですので、配偶者ビザの申請人(外国人配偶者)ではなく、日本人配偶者が作成します。
又、記入内容はかなり細かい内容ですが、出来るだけ正確に記入するようにしてください。
記憶があいまいなまま、適当に記入してしまうと、申請書や証書資料と食い違いが生じてしまい、虚偽の内容であると判断されてしまう可能性があるので、事実を確認しながら慎重に作成してください。
因みに、質問書の作成や手書きでもパソコン入力でも構いませんが、最後(8ページ目)の記入日と署名については日本人配偶者が直筆で記入しなければなりません。
配偶者ビザの質問書1枚目の書き方と記入例
1枚目の記入項目
- 国・地域名を記入。
- 外国人配偶者の氏名・性別を記入。氏名はパスポートに記載されている名前の欄を上から順に記載します(例:Surname→Given name→Middle name)。
- 日本人配偶者の氏名とフリガナを記入。
- 「日本」と記入。
- 日本人配偶者の住所を記入。住所は住民票に記載されている表記のまま記入した方が良いいです。
- 自宅と携帯の電話番号を記入。自宅の電話がない場合には「なし」と記入します。
- 同居人の有無を選択し、同居人がいる場合にはその人の名前を記入します。既に外国人配偶者が別の在留資格で日本に住んでいる場合には、同居していることが望ましです。
- 住居が持ち家か賃貸かを選択し、家賃と間取りを記入します。「LDK」の部分は二重線などを引いて、自宅の間取りに合うように訂正してください。
- 勤務先と職務内容を記入。
- 勤務先の住所を記入。勤務先の住所は「本社」の住所ではなく、「実際に働いている事務所」の住所を記入します。
- 勤務先の電話番号を記入。電話番号についても「本社」ではなく、「実際に働いている事務所」の電話番号を記入します。
- 就職年月日を正確に記入。
配偶者ビザの質問書2枚目の書き方と記入例
2枚目の記入項目
- はじめて会った時期を記入。友人の紹介や出会い系アプリ・出会い系サイトで知り合った場合には、知り合った時期を記入するのではなく、実際に会った時期を記入します。又、正確な日にちまで思い出せない場合には「年」と「月」だけを記入し、日付けは空けておいて大丈夫です。
- はじめて会った場所を記入。場所についてはできるだけ詳しく記入するようにして下さい。
- はじめて会ってから結婚に至るまでの経緯を記入。
注意ポイント
はじめて出会ってから結婚までの経緯は、質問書の中でも特に重要な点です。ですので、上記の内容だけでは足りないと思います。上記はあくまでも一例として記入しただけで、実際に弊所にご依頼いただいた場合にはA4用紙を2〜3枚程度を使って説明資料を作成します。ですので、ご自身で申請する場合には、“別紙添付”と記入し「申請理由書」という形でA4用紙2〜3枚程度を使って出会いや交際に至った経緯、デートや旅行した場所、プロポーズの状況、結婚後の生活等について説明する書類を作成して添付した方がいいです。
配偶者ビザの質問書3枚目の書き方と記入例
3枚目の記入項目
- 紹介者の有無を選択。紹介者がいない場合には②~⑫は空欄。
- 紹介者の氏名と性別を記入。結婚相談所による紹介の場合には会社名を記入してください。
- 紹介者の国籍を記入。結婚相談所による紹介の場合には会社が所在する国籍を記入してください。
- 紹介者の生年月日を記入。結婚相談所による紹介の場合には「なし」と記入してください。
- 紹介者の住所を記入。結婚相談所による紹介の場合には会社の住所を記入してください。
- 紹介者の電話番号を記入。結婚相談所による紹介の場合には会社の電話番号を記入してください。
- 紹介者が日本に滞在している外国人の場合には在留カードの番号を記入。
- 紹介された年月日を記入。正確な年月日を記入する必要がありますが、日付けまで思い出せない場合には「年」と「月」だけを記入し、日付けは空けておいて大丈夫です。
- 紹介された場所を記入。写真での紹介やメール・メッセージアプリの連絡先を教えてもらっただけの場合には「なし」と記入してください。
- 紹介された方法を選択。選択肢にない場合にはその他を選択し、どのように紹介されたのかを記入します。
- 紹介者と外国人配偶者の関係を記入。いつ、どこで、どのように知り合ったのかを詳しく記入するようにしてください。又、親族や親戚の場合には関係性(叔父・叔母・姪・甥等)を記入して下さい。
- 日本人配偶者と紹介者の関係を記入。いつ、どこで、どのように知り合ったのかを詳しく記入するようにしてください。又、親族や親戚の場合には関係性(叔父・叔母・姪・甥等)を記入して下さい。
- 夫婦のコミュニケーションで使っている言語を記入。メインは日本語で補足的に英語を使っている場合には、「日本語、英語」と複数記入します。
- 外国人配偶者の母国語を記入。
- 日本人配偶者の母国語を記入。
配偶者ビザの質問書4枚目の書き方と記入例
4枚目の記入項目
- 外国人配偶者が日本語をどのくらい理解できるかを選択。
- 日本人配偶者が外国人配偶者の母国語をどのくらい理解できるかを選択。
- 外国人配偶者が日本語を話せる場合には、いつ、どこで、どのように学んだかを記入。日本語学校や留学等で話せる場合には学校名や入学~卒業、留学時期について正確に記入してください。
- 言葉が通じない場合、普段はどのように解決しているかを記入。
- 通訳者がいて意思の疎通が行えている、もしくは行えていた場合には通訳者の氏名・国籍・住所・性別を記入。
- 婚姻手続きを先に日本で行った場合には、婚姻届けに記載した証人の氏名・住所・電話番号を記入。海外で先に婚姻手続きを行った場合には「報告的届出のため該当者なし」と記入してください。
配偶者ビザの質問書5枚目の書き方と記入例
5枚目の記入項目
- 結婚式(披露宴)を行った日付けを記入。これから結婚式を行う予定の場合には「予定」と追記しておくといいです。
- 結婚式(披露宴)の場所を記入。披露宴が海外の場合にはと氏名や結婚式場の名前等でできるだけ具体的に記載して下さい。
- 結婚式(披露宴)の出席者を選択し、双方全ての出席者の人数を記入。
- 外国人配偶者の結婚歴を記入。再婚であれば何回目の再婚なのかを記入し、前回の結婚がいつからいつまで続いたのかを記入してください。又、別れた理由を離婚・死別から選びます。
- 日本人配偶者の結婚歴を記入。再婚であれば何回目の再婚なのかを記入し、前回の結婚がいつからいつまで続いたのかを記入してください。又、別れた理由を離婚・死別から選びます。
- 外国人配偶者がこれまでに日本に何回来日したかの回数を記入。入国管理局は過去の来日回数を把握しているので、正確な来日回数を記入してください。来日回数を適当に記入すると虚偽の内容と判断され不許可になる可能性があります。又、来日回数が多くて全てを把握できていない場合には「約10回」や「10回以上」と記入してください。
- 来日の時期についても入国管理局は過去の来日時期を把握しているので、正確に記入してください。入出国時にパスポートに日付け入りのハンコが推されているので、パスポートを確認しながら記載すると良いです。
配偶者ビザの質問書6枚目の書き方と記入例
6枚目の記入項目
- 知り合ってから結婚までの間に外国人配偶者の母国に行った回数を記入。婚姻手続きや結婚式(披露宴)で訪れた場合は結婚までに行った回数にカウントしてください。
- 婚姻がに外国人配偶者の母国に行った回数を記入。こちらもパスポートのハンコを参考にしながら正確に記入してください。
- 外国人配偶者が過去に強制退去歴の有無を記入。強制退去歴がない場合には④~⑤は空欄で大丈夫です。
- 強制退去となった原因を選択。不法残留。不法入国以外の場合には「その他」を選択し、詳細を記入してください。
- 強制退去で日本を出国した年月日と、出国時の空港名を記入。
- 強制退去された当時のパスポートと国籍・氏名・生年月日が異なるかを記入。異なる場合には当時のパスポートの国籍・氏名・生年月日を記入してください。
注意ポイント
もし、外国人配偶者の方に強制退去歴がある場合には、質問書で求められている内容を記載しただけでは許可が下りないのがほとんどで、申請書や質問書以外に色々な書類を提出する必要があります。ですので、強制退去歴がある場合には、ご自身で申請するのではなく専門の弁護士や行政書士に依頼することをおすすめします。
配偶者ビザの質問書7枚目の書き方と記入例
7枚目の記入項目
- 強制退去されるまでに夫婦で同居していた場合には同居の期間と住所を記入。強制退去歴がない場合には空欄で大丈夫です。
- 夫側の親族に関する情報を記入します。両親が同居している場合には住所を「同上」等で省略しても大丈夫です。又、亡くなっている方がいる場合には住所の欄に「死亡」と記入してください。
- 妻側の親族に関する情報を記入します。名前はパスポートに記載されている順で記載し、ミドルネームがある場合にはミドルネームも記入します。
配偶者ビザの質問書8枚目の書き方と記入例
8枚目の記入項目
- 夫又は妻側に子供がいる場合には子供の情報を記入。子供がいない場合には「なし」と記入してください。
- それぞれの親族で婚姻を知っている親族を選択。不仲等の理由がない限りは、事前に結婚の事実を親族に伝えてから「質問書」を提出するようにしてください。親族に結婚を知らせていない場合には、偽装結婚であると疑われる可能性があります。
- 質問書の記入日を直筆で記入。
- 日本人配偶者の名前を直筆で記入。
配偶者ビザの質問書の書き方まとめ
この記事のまとめ
- 質問所には絶対に嘘は書かない
- 「いつ」、「どこで」、「何を」等は具体的に記入する
- できれば別途で「申請理由書」を作成して添付する
- 強制退去歴がある場合には弁護士や行政書士などの専門家に依頼した方がいい
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所