この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
行政書士試験は国家資格の中でも難易度の高い資格として位置づけられています。
しかし、ネットなどを見ていると「3ヶ月で合格した」という体験談もあり、予備校や通信講座などでも3ヶ月で合格できるかのような表現がされていることもあります。
一方で、行政書士試験を受験する人の中には年に一度の試験を2~3回受験しても合格できない人もいるわけです。
では、実際にところ本当に3ヶ月で行政書士試験に合格することは可能なのでしょうか?
結論から言うと、不可能ではないですがかなり難易度が高いので合格できる可能性はかなり低いです。
ただ、この記事を読んでいるということは、恐らく行政書士試験まで後3ヶ月程度しかないけど、なんとしても行政書士試験に合格したいということなのだと思います。
そこで、以下では行政書士試験に3カ月という最短期間で合格するための戦略や勉強法について紹介していきます。
▼記事の内容はYouTubeでも解説しています▼
行政書士試験に3ヶ月で合格するのはかなり厳しい
まず、行政書士試験に3カ月で合格する戦略や勉強法を紹介する前に、大前提として行政書士試験に3ヶ月で合格することがどれぐらい厳しいかを解説しておきます。
というのも、どれぐらい厳しいのかを理解していないと、途中で心が折れてしまって挫折する可能性があるからです。
例えば、同じ42.195キロを走るのでも、何キロ走ればゴールなのかを分かっている状態と、初めから42.195キロ走ることを分かっている状態ではモチベーションの維持に差が出てきますよね?
これと同じでイメージです。
では、行政書士試験の難易度はどれぐらいなのかというと、行政書士試験の合格に必要な勉強時間は600~800時間程度と言われています。
因みに、600時間というのはあくまでも最低ラインの勉強時間なので、合格するのに800~1000時間程度の勉強が必要だと思っておいた方がいいと思います。
となると、3カ月は90日間あるわけなので、3カ月間1日も休むことなく8.9時間(800時間÷90日)勉強する必要があるのです。
これが学生であれば、まだ1日8.9時間を毎日勉強することは可能ですが、会社員として働きながらや、主婦として家事をしながらであれば現実的に不可能ですよね?
でも、これぐらい難易度が高いことを今からやろうとしているということを理解しておいてください。
ネット上で言われる「3ヶ月で合格した」という声は参考にならない
冒頭でも言いましたが、ネットでは「3ヶ月で行政書士試験に合格した」というような体験談がちらほらありますが、あまり信用しない方がいいです。
なぜなら、その人のバックグランドが一切わからないからです。
もしかしたら、過去に法律系資格の勉強していたことが有ったり、3ヶ月と言いながら実は3ヵ月半~4カ月近くの期間が有ったり、無職で1日中勉強できるような環境だったりする可能性があるからです。
また、予備校や通信講座を販売する会社としても短期で合格できると言った方が、受講生が増えるから営業トーク的に3ヶ月でも合格が出来る可能用に表現していたりするわけです。
なので、こういったネットの情報をあまり真に受けないことをおすすめします。
行政書士試験に最短3ヶ月で合格するための戦略
では、ここからはいよいよ行政書士試験に最短の3ヶ月で合格するための戦略について紹介していきます。
3ヶ月で合格するための戦略は以下の3つです。
- 最低限の勉強時間を確保する
- 民法と行政法に集中する
- 一般知識の足切り対策をする
最低限の勉強時間を確保する
まず、3ヶ月で自分がどれぐらいの勉強時間を確保できるのかを確認してください。
正直なところできれば600時間は確保してほしいですが、3ヶ月で600時間を確保できる人はなかなか少ないと思います。
なので、3カ月で最低でも400時間は確保してください。(できれば800~1000時間はすべきなのですが、そこまで時間に余裕がある人はいないと思うので・・・)
- 平日・・・3時間×65日=195時間
- 土日・・・8.2時間×25日=205時間
働きながらでも、平日3時間で土日に8時間程度であれば働きながらでも可能だと思うので、まずは最低限これぐらいの勉強時間を確保してください。
当たり前ですが、この3カ月はテレビやユーチューブ、遊びは一切やらないぐらいの覚悟が必要です。
民法と行政法に集中する
出題形式 | 問題数 | 出題形式別配点 | 科目別配点 | 割合 | |
基礎法学 | 択一式 | 2問 | 8点 | 8点 | 3% |
憲法 | 択一式 | 5問 | 20点 | 28点 | 9% |
多肢選択式 | 4問 | 8点 | |||
民法 | 択一式 | 9問 | 36点 | 76点 | 25% |
記述式 | 2問 | 40点 | |||
行政法 | 択一式 | 19問 | 76点 | 112点 | 37% |
多肢選択式 | 8問 | 16点 | |||
記述式 | 1問 | 20点 | |||
商法 | 択一式 | 5問 | 20点 | 20点 | 7% |
一般知識 | 択一式 | 14問 | 56点 | 56点 | 19% |
合計 | 60問 | 300点 | 300点 | 100% |
行政書士試験の出題科目は基礎法学、憲法、民法、行政法、商法、一般知識の6科目ですが、それぞれの科目によって配点の割合が違います。
そして、行政書士試験の合格基準点というのは300点満点中180点以上を獲得すれば合格することができるのです。
そして、上記の表を見てもらうとわかるのですが、行政書士試験の配点の内、民法と行政法だけで試験全体の62%を占めるのです。
つまり、限れらた時間の中で行政書士試験の勉強をするとなれば、民法と行政法を集中的に勉強することで効率的に得点することが可能というわけなのです。
一般知識の足切り対策をする
短期合格を目指すのであれば上記でも紹介した通り、民法と行政法に絞って勉強するのが得策です。
ただし、注意しなければいけないのが行政書士試験には一般知識において足切り点が設けられているということです。
行政書士試験の合格基準点は180点なのですが、一般知識において14問中6問以上正解しなければ、仮に180点以上を獲得できたとしても不合格になってしまいます。
なので、行政書士試験に合格するためには一般知識の足切り点である6問以上正解する知識も身につけなければならないというわけです。
行政書士試験に最短3ヶ月で合格するための勉強法
上記では行政書士試験に3ヶ月という最短期間で合格するための戦略を紹介しました。
ただ、これだけではどのように勉強していけばいいのかがイマイチ掴めないと思います。そこで、さらにそれぞれの科目別の具体的な勉強法について紹介していきます。
基礎法学の勉強法
基礎法学は法律全般の知識の中から、いろいろな角度で出題される傾向にあります。
3カ月で行政書士試験に合格するための勉強法として、基礎法学は捨てて良いです。
なぜなら、出題数は2問で配点は8点しかない上に、出題範囲は膨大に広いので対策のしようがないからです。
憲法の勉強法
憲法の出題傾向としては、条文内容や判例知識、判例の論点、判例の結論などが出題されます。
民法や行政法、一般知識の対策をしてある程度時間がある場合には、憲法の勉強に取り掛かると良いです。
憲法の勉強法としては、憲法条文を暗記するのが効率的です。
なぜなら、憲法の場合は条文を知っているだけで回答できるような問題も頻繁に出題されるからです。
また、それでも時間に余裕がある場合には判例などの知識を身につけていけばいいと思います。
民法の勉強法
民法についてはかなり勉強時間を割く必要があります。
行政書士試験における配点が高いからという理由だけではなく、民法で出題される問題自体が深い知識を問われる問題が多いので、相当しっかり勉強しないと問題が解けないからです。
民法の勉強法としては、初めにテキストや講義などによるインプットを行った後にはひたすら過去問を解いてアウトプットをしながら覚えていくというイメージです。
因みに、行政書士試験では過去問と同じ問題は出題されないので、過去問の答えを覚えても意味がなく、なぜそのような回答になるのかという理解力が必要となります。
つまり、民法は暗記というよりは法的思考力や理解力が必要になるので、他の科目より得点を伸ばすのに勉強時間が掛かってしまうのです。
行政法の勉強法
行政法についてはあまり私生活では馴染みのない法律なので、慣れるまではなかなか難しいと感じると思います。
ただ、行政法は民法とは違って暗記が中心となる科目なので、過去問を集中的に解いていくことである程度は点数がとれるようになります。
行政法の勉強方法としては、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法などに似ている法律があり、混乱する可能性があるので、出来るだけそれらの法律を対比しながら勉強していくことです。
3ヶ月で行政書士試験に合格できるかどうかは、行政法でどれだけ得点できるかで大きく左右されるので行政法に関しては試験で7~8割取れるぐらいを目標に勉強してください。
商法の勉強法
商法では商取引と会社法に関する問題が出題されます。
商法の勉強法としては、基礎法学と同じく捨ててしまって問題ありません。
商法を勉強するぐらいに時間に余裕があるなら、憲法・民法・行政法・一般知識の勉強に費やす方が効率的です。
一般知識の勉強法
行政書士試験における一般知識では政治・経済・社会・IT情報通信・個人情報保護法・文章理解から出題されます。
ただ、この中で政治・経済・社会に関しては出題範囲が広く、対策が難しいので捨ててください。
なので、一般知識の勉強法としてはIT情報通信・個人情報保護法・文章理解だけを勉強していきます。
まず、IT情報通信・個人情報保護法に関しては過去問と似た傾向の問題が出題されるので、過去問を中心に勉強していきます。
また、出来れば各予備校で実施されている模試を受けることをおすすめします。
予備校の模試を受けることで自分の実力がどれぐらいなのかがわかるというメリットがあるのは勿論ですが、予備校の模試で出題されるIT情報通信・個人情報保護法の問題はクオリティーが高いのでかなり勉強になるからです。
次に文章理解に関しても、基本的には過去問を解いておけば問題ありません。
文章理解に関しても、過去問と同じ問題が出るわけではないですが、過去問が解けるぐらいの力があれば問題ないからです。
そして、一般知識においてIT情報通信・個人情報保護法で4問、文章理解で3問出題されるなから、なんとしても6問正解できるようにします。
行政書士試験に3ヶ月で合格するための勉強法まとめ
ここまで行政書士試験を3ヶ月という最短期間で合格するための戦略や勉強法について紹介してきました。
ただ、ここまででも何度か言っているように、行政書士試験に3ヶ月で合格するというのはかなり難易度が高いです。
とはいえ、不可能というワケではないので、覚悟を決めて、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。
行政書士の通信講座講座選びで
迷ったら場合はどうしたらいい?
ナガシマガジンでは、現在受講が可能な全17種類の通信講座の費用や講義動画、質問などのサポート体制、合格実績、講師の質に至るまで、通信講座選びで重要となる様々な点で徹底的に比較し、100点満点で採点を行いランキング形式で紹介しています。
行政書士の通信講座選びで迷った際は、是非参考にしてみて下さい!
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所