この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
行政書士の資格取得に関するメリットとデメリットについて、ネットで調べるといろいろな情報が出てきます。
しかし、行政書士を取得する上での本当にメリット・デメリットについては誰も語っていません。
なぜなら、行政書士の本当のメリットとデメリットを紹介してしまうと、ほとんどの人は行政書士の資格取得を諦めてしまうからです。
以下では、他では語られていない行政書士の資格を取得する上での本当のメリットとデメリットについて解説していきます。
▼記事の内容はYouTubeでも解説しています▼
騙されてはいけない!行政書士のメリットに関する情報は嘘ばかり!
行政書士のメリットやデメリットに関する情報をネットで調べてみると、以下のようなメリットが挙げられています。
よく言われる行政書士のメリット
- 転職・就職に有利
- 昇給・昇進に有利
- 法律の知識が身につく
- 誰でも独立開業ができる
- 週末起業・副業で稼げる
しかし、これらの行政書士資格取得のメリットというのは、ハッキリ言って嘘です。
どういった点が嘘なのかについて詳しく解説していきます。
行政書士の資格取得は転職・就職に有利にはならない
行政書士事務所や弁護士事務所、会計事務所に転職や就職するのであれば有利になるかもしれませんが、一般企業における就職や転職については、正直言って行政書士は就職や転職には基本的に有利にはなりません。
なぜなら、行政書士という資格は専門性に欠ける資格だからです。
もちろん、資格取得の努力は買われるかもしれませんが、就職先・転職先の職種と特に関係がないのであればほぼ無意味です。
それであればもっと実務的な資格や専門性の高い資格を取得すべきです。
例えば、経理であれば簿記、企業内法務であれば弁護士や司法書士、法科大学院卒の人の方が就職・転職に有利であことは間違いありません。
なので、行政書士は就職や転職に有利というメリットがあるとのは嘘だと言えないわけです。
行政書士の資格取得は昇給・昇進に有利にはならない
ほとんどの人にとっては行政書士の資格取得は会社での昇進・昇給には有利にはなりません。
例えば、勤めている会社で資格取得を推奨しているのであれば資格取得手当等が貰えるかもしれませんし、勤めている会社で行政書士資格を利用して仕事ができる場合には昇進と昇給の両方があるかもしれません。
しかし、そういった資格取得制度や業務との関係性がない会社に勤めているのであれば、行政書士の資格を取得したからと言って昇進・昇給は望めません。
そもそも、資格を取得して昇給や昇進できるのであれば、仕事が出来なくても資格取得すれば昇進・昇給出来てしまう事になりますからね。
なので、行政書士の資格取得は昇給や昇進に有利というメリットがあるという嘘だと言えます。
行政書士の資格取得で法律の知識が身についてもメリットはならない
行政書士というのは基礎法学・憲法・民法・行政法・商法等の法律知識が中心となる試験なので、確かに法律知識は身につきます。
しかし、行政書士試験に出題されるような法律の知識を身につけたとして、実生活で活かせるような法律知識はほとんどありません。
もし、本当に実生活に役立つ法律の知識を身につけたいのであれば、行政書士の資格取得で身につけるよりも、実生活に役立つ法律に関する専門書を勉強した方がよっぽど役立ちます。
というわけで、行政書士の資格取得で法律の知識が身についたとしても実生活にはほとんど何の役にも立たないのでメリットにはならないと言えます。
行政書士の資格を取得すると誰でも独立開業できるというのはメリットだとは言い切れない
行政書士は資格を取得することで独立開業できるという点に関しては、行政書士のメリットだと言えるかもしれません。
しかし、あまりにも『独立開業できる』という言葉が独り歩きして、行政書士として独立すると誰でも簡単に成功できるというイメージを与えてしまっているように思います。
ですが、行政書士の資格を取ったからと言ってすぐに仕事があるわけではなく、開業して3ヶ月〜半年ぐらい全く仕事がないという方も珍しくはありません。
そして、少しずつでも仕事が増えていけばいいのですが、そのまま仕事が増えず廃業していくという方も中にはいます。
そう考えると、行政書士を取得することで簡単に独立開業出来るのですが、廃業に追いやられている人も少なくないことを考えると必ずしも独立開業できることがメリットだとは言えません。
行政書士の資格を取得しても週末起業・副業で稼げるわけではない
最近では大手企業で副業が解禁され、それに伴って資格を取得して週末起業や副業をしようと考えている人が多いです。
となると、独立開業ができる行政書士の資格を取得しようと考える人がいるわけです。
でも、上記でも言ったように、行政書士として専業で働いている人ですら、開業して3ヶ月〜半年ぐらい仕事がない事も珍しくはないように、行政書士として独立開業することはそんなに甘い話ではありません。
しかも、『【警告】99%の人は行政書士で副業・小遣い稼ぎは辞めた方がいい!』の記事でも詳しく紹介していますが、行政書士の資格取得に必要な勉強時間は600~800時間で、合格後には行政書士として登録するために17~30万円必要になります。
週末起業・副業からゆくゆくは会社を辞めて独立起業しようとしているのであればチャレンジしてみるのも良いですが、お小遣い稼ぎ程度に考えているのであれば、学習費や学習時間、行政書士登録料などをトータル的に考えると圧倒的に非効率です。
というわけで、行政書士で週末起業・副業で稼げるというメリットは嘘だと言えます。
行政書士になるメリットをいっぱい紹介する理由
ここまで解説したように、行政書士のメリットとして紹介されていることのほとんどはメリットと言えないものばかりです。
では、なぜメリットとは言えないモノをメリットとしてたくさん紹介するのかというと、行政書士の通信講座や予備校の宣伝・販売をしたいからです。
『行政書士になるとこんなにたくさんメリットがあるんですよ!』って紹介することで、行政書士の資格を取得したいと思わせて、通信講座や予備校に申し込ませようという魂胆なのです。
逆に、「行政書士の資格を取得してもこんなにメリットが少ないんですよ!」なんて、リアルなメリット・デメリットを紹介すると、誰も行政書士の資格を取得しようと思わないので、行政書士の通信講座や予備校を申し込んでくれないですかね。
だから、行政書士のメリットやデメリットについて調べても、メリットばかりがたくさん紹介されていてデメリットはほとんど紹介されていないのです。
誰も語らない!行政書士資格の本当のメリット・デメリット!
ココがおすすめ
- 他の仕事に比べて独立開業で成功しやすい
- 開業する上ではコストパフォーマンスが高い
ココがダメ
- 行政書士の求人がほとんどない
- 雇用されて働く場合は給料が安い
- 独立開業する以外はほとんど役にたたない
まず、行政書士の最大のメリットというのは、開業・起業する上でかなりコストパフォーマンスが高いという点です。
上記では、行政書士として開業しても廃業に追いやられてしまう人も少なくないと紹介しましたが、それでも他のビジネスモデルと比較しても成功しやすい仕事です。
その理由については『【朗報】行政書士で独立開業すると他のビジネスより成功しやすい理由』の記事で詳しく解説しているので省略しますが、行政書士を含めた士業というのは他のビジネスよりも成功しやすく、しかも、その独立開業出来る士業の中で最も難易度が低い国家資格の一つなのです。
なので、絶対に自分で独立・開業してビジネスを成功させたいという強い意志がある人には、行政書士はおすすめな資格だと言えません。
一方で、行政書士として独立しないのであれば行政書士の資格取得はかなりコストパフォーマンスが悪いです。
理由としては、行政書士の資格取得は難易度が高い割に、資格を取得できたからと言って、昇給・昇進、就職・転職に有利なわけではないですし、行政書士事務所などでも求人も少なく、仮に行政書士事務所に就職できたとしても給料はかなり安いからです。
つまり、行政書士は独立・開業したいという人にとってはメリットがある資格ですが、それ以外の人にとってはほとんどメリットがない資格なのです。
これを言ってしまうとほとんどの人が行政書士試験を取得しようと思わないので、誰も行政書士の本当のメリット・デメリットを語ろうとしないわけです。
まとめ
行政書士資格の取得を考えていた人は、この記事でを読んで本当に目指すかどうか悩んで待ったかもしれません。
でも、行政書士のメリットやデメリットに関する誤った情報を信じて受験するよりは、本当の行政書士のメリット・デメリットを知った上で悩んだ方が後々良いと思います。
行政書士の合格に必要な時間は600~800時間必要なわけで、実際に行政書士になってから『こんなはずじゃなかったのに・・・』と後悔しても、勉強に費やした時間やお金は戻ってこないですからね。
なので、ネット上で言われているような行政書士の通信講座や予備校の宣伝・販売のために言われている表面上のメリット・デメリットに騙されずに、行政書士の本当のメリット・デメリットを理解した上で、行政書士の資格取得するか判断してみてください。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所