この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
行政書士と司法書士は名前が似ている上に、共に法律を扱う国家資格で、独占業務が認められているなどの共通する点も多いです。
ただ、それぞれの資格の特徴を1つ1つ見ていくと、大きな違いがたくさんあります。
以下では、行政書士と司法書士の仕事内容や年収、資格取得の難易度などを徹底的に比較していきます。
以下で紹介する偏差値・勉強時間・平均年収等は、当ブログが独自に調査した結果に基づいて紹介しています。
行政書士と司法書士の違いを仕事内容で比較
行政書士の仕事内容
- 法人設立手続き関係の業務
- 許認可申請業務
- 外国人雇用申請業務
- 各種契約書作成業務
- 遺言・遺産相続に関する業務
- その他
行政書士の一般的な仕事はその名の通り『行政』に提出書類の作成や許認可の代理申請を行う仕事がメインとなります。
この、行政(官公署)に提出する書類及び、事実証明・権利義務に関する書類の作成代理は行政書士の独占業務をなっているので、行政書士以外はできません。
補足
ただし、行政に提出書類でも、他の法律において制限されている書類については作成できません。
司法書士の仕事内容
- 土地や建物の登記に関する業務
- 会社や各種法人の登記に関する業務
- 成年後見に関する業務
- 相続・遺言に関する業務
- 債務整理に関する業務
- 簡易裁判に関する業務
- その他
司法書士は主に土地や建物、法人に関する登記関係手続や供託に関する手続きを代理することをメインの業務とします。
この、登記や供託などのいわゆる法務局に提出する書類関係は司法書士の独占業務となっているので、司法書士以外はできません。
ただし、他の士業の独占業務以外の仕事はできる
上記はあくまでも行政書士や司法書士が出来る業務の中でもごく一部の業務で、それ以外にもいろいろな業務ができます。
また、行政書士も司法書士も遺言書の作成や遺産分割にかんする書類の作成、離婚協議書の作成など他の士業の独占業務とないっている業務以外は行うことが可能なので行政書士と司法書士の両方が出来る業務もあります。
行政書士と司法書士の違いを試験の難易度で比較
行政書士 | 司法書士 | |
学習時間 | 1000時間~ | 7000時間~ |
試験科目 | 基礎法学/憲法/民法/行政法/商法/IT情報通信・個人情報保護法/一般知識 | 憲法/民法/刑法/商法/民事訴訟法/民事執行法/民事保全法/司法書士法/供託法/不動産登記法/商業登記法 |
合格率 | 10~12% | 3%前後 |
偏差値 | 62 | 74 |
行政書士の資格取得難易度
行政書士試験は国家資格の中では“難関資格”に分類される難易度で、世間一般的には難しい資格だとされています。
ただ、独学で資格を取得する人も毎年一定数はいるので、資格取得が困難だというレベルではありません。
もちろん、個人差はありますが行政書士に合格するために必要な勉強時間の平均は600~800時間程度と言われています。
だから、会社員として働きながらでも毎日2~3時間程度を1年間ぐらい続けて勉強することで資格を取得することは十分に可能です。
司法書士の資格取得難易度
司法書士の難易度は年々難化傾向にあり、近年では最難関の国家資格である司法試験と同等程度の超難関資格といわれることもあります。
だから、司法書士の合格に必要な学習時間も3000~4500時間と、行政書士の5倍~6倍ぐらいの勉強をする必要があります。
なので、司法書士を目指す人の大半は独学ではなく予備校や通信講座を使用し、会社員をしながらであれば2~3年ぐらいを目標に資格の取得を目指す人が多いです。
ポイント
行政書士試験と司法書士試験では憲法・民法・商法で試験科目が被るので、特に難易度の難しい司法書士試験に合格した人はそこまで多くの勉強時間を割かなくても行政書士試験に合格することが可能です。
行政書士と司法書士の違いを平均年収で比較
行政書士 | 司法書士 | |
平均年収 | 400~450万円 | 600~650万円 |
ネットや書籍ではいろいろな資格の平均年収は〇〇〇万円などと言われたりするのですが、これは『行政書士の平均年収を4,338人のアンケート調査から徹底分析!』の記事でも記載しているように平均値なので全然当てになりません。
やはり、年収のリアルな実態を知るためには平均値ではなく中央値を知る必要があります。
では、行政書士と司法書士の中央値としての平均年収はいくらなのかというと、行政書士に関しては400~450万円、司法書士に関しては600~650万円程度だと言えます。
資格を取得して独立開業するなら平均年収は関係ない
あなたが資格取得後に雇用されて働くのであれば少しは平均年収が関係してくるかもしれません。
実際に行政書士や司法書士事務所の求人を見てみると、確かに行政書士よりも司法書士の方が給料面で高い求人が多いです。
しかし、どちらの資格に関しても独立開業が可能な資格なので、もしあなたが独立開業する予定であれば平均年収は気にする必要はありません。
行政書士でも司法書士でも稼げる人は稼げるし、稼げない人は稼げないのですからね。
行政書士と司法書士のどちらを取得すべきか?
では、行政書士と司法書士のどちらの資格を取得した方がいいのかというと、それは資格取得の目的によって変わります。
行政への許認可申請を仕事としたい場合には行政書士と取るべきですし、不動産の登記や会社の登記などに興味があれば司法書士を取るべきです。
逆に、資格の取得目的がお金を稼ぐことを目的とする場合には、資格取得後の働き方によってどちらを取得した方がいいかが変わります。
例えば、資格を取得して独立開業してお金を稼ぐことが目的なのであれば、司法書士よりも行政書士の方が向いていると言えます。
上記の平均年収のところでも解説したように、独立開業した場合には持っている資格よりもビジネススキルによって収入が左右されます。
となると、資格取得の難易度が高い司法書士よりも行政書士の方が資格の取得が簡単なので、その分ビジネススキルを磨く時間に費ややせて、収入を上げやすいと言えます。
一方、資格取得後はどこかの事務所で雇用してもらって働くことを考えているのであれば、行政書士よりも司法書士の方が高い収入が望めます。
なので、あなたが何を目的で資格を取得するかによって、行政書士と司法書士のどちらを取得できるかが変わるのです。
行政書士と司法書士の仕事内容・年収・難易度の違いまとめ
行政書士と司法書士では業務内容や収入、試験の難易度において大きな違いがありますが、どちらの資格の方が優れているというものではなく、それぞれの資格にメリット・デメリットがあります。
例えば、行政書士は司法書士と比べると資格取得の難易度が低く、短期間で合格も可能ですが雇用されて働く場合には給料が高いとは言えません。
一方、司法書士は行政書士よりも資格取得の難易度が高いので資格取得までに相当の期間勉強が必要となりますが、その分、行政書士よりもより専門的な分野の業務も行うことが可能で給料が高いです。
要するに、行政書士を目指すのか、司法書士を目指すのかはその人が何を求めるかによって選択肢が変わるのです。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所