この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
ハッキリ言って、行政書士試験を受けようと思っている9割の大学生には行政書士試験をおすすめしません。
なぜなら、行政書士という資格を就活にいかそうと思って取得する場合には圧倒的にコスパが悪い資格だからです。
ネットでは「大学生が行政書士資格を取得すると就活に有利だからおすすめ」なんて言われていたりするわけですが、そんなのは幻想にすぎないので信用しない方がいいですよ。
逆に、もしあなたが独立開業するために行政書士試験の受験を考えている学生なのであれば、行政書士はかなりおすすめの資格だと思います。
以下では、なぜ9割の大学生には行政書士をおすすめしない理由や、行政書士の資格が就活に有利というのは嘘が出回る理由について詳しく解説していきます。
9割の大学生に行政書士試験を薦めない理由
なぜ9割の大学生に行政書士試験をおすすめしないのか?
それは、9割の大学生にとって行政書士という資格はコストパフォーマンスが悪い資格だからです。
行政書士試験の受験者数は毎年4万人前後います。
そして、行政書士試験センターが公表している年齢別受験者数から推測すると、その内、大学生は1500~2000人前後だと思われます。
じゃあ、この1500~2000人の中で本当に行政書士になりたくて行政書士試験を受験している人の割合はどれぐらいでしょうか?
恐らく、ほとんどの大学生は行政書士の資格を持っていると何となく就活に有利だからという理由で受けているて、本当に行政書士になりたくて受けている人は10%前後ではないかと思います。
ま~、この数値はあくまでも推測の域を出ませんが、行政書士試験の合格者全体で見ても半数以上は行政書士として登録しないことを考えるとあながち遠い数値ではないと思います。
そして、行政書士という資格はそれなりに難易度が高いので、ある程度の時間を割いて勉強しなければいけないのですが、そうやって時間を割いて頑張った割には世間一般で言われるほど就活に有利に働く資格ではないのです。
つまり、就活に有利という理由で行政書士試験を受ける9割の大学生にとっては圧倒的にコスパの悪い資格なのです。
それであれば、就活先の希望として考えている業界で役に立つ資格を取得したり、インターンに参加したり、マーケティングや営業ノウハウなどを学んだりした方がよっぽど就活に役に立つと思います。
行政書士の資格が就活に有利というのは幻想
資格関連の本であったり、ネットで検索して出てくる資格関連のサイトでは「行政書士は就活や転職に有利になる!」なんてことが良く言われていたりします。
そして、実際にはそれを信じて行政書士試験を受験する人が本当に多いです。
でも、ハッキリ言って行政書士の資格が就活に有利に働くということはほとんどありません。
もちろん、何の資格も持っていない人と比較した場合には、ほんの少しぐらいは有利になるかもしれませんが、本当に微妙なレベルです。
なぜなら、一般企業において行政書士の資格が役立つことがほとんどないからです。
行政書士という資格は行政機関などに提出する許可申請などの書類作成ができる資格です。
つまり、行政書士事務所や弁護士事務所、税理士事務所などに就活する場合などには役立つかもしれませんが、一般企業に就活する場合にはほとんど役立ちません。
中には、行政書士は法律系の資格だから一般企業の法務などの採用には有利という人もいますが、それはあくまでも全くなんの法律に関する知識のない人と比べた場合だけです。
企業の法務に就活するとなると、法科大学院卒の人や司法書士弁護士のような行政書士よりも、もっと法律に詳しい人がライバルはとなるので行政書士資格が有利になるとは思えません。
正直いって、行政書士という資格は難易度が比較的高いわりに、一般企業ではあまり需要のないつぶしの効きにくい資格なのです。
行政書士の資格が就活に有利という情報が出回る理由
では、行政書士は一般企業においてあまり需要のない資格なのに、なぜ資格関連の書籍やネット上では就活に有利という嘘が出回っているのか?
それは行政書士のテキストや過去問や予備校などを購入させるためのマーケティング戦略だからです。
例えば、「行政書士という仕事は行政書士を志す人以外は資格を取っても意味がない」ってなると、ほとんどの人は行政書士試験を受けないですよね?
だって、行政書士という資格自体はメジャーですが、実際に行政書士になりたくて行政書士試験を受けている人は限られているわけですから。
実際、行政書士試験全体の合格者が毎年4000~5000人ぐらいいるにもかかわらず、行政書士として登録する人は1500~2000人前後しかいません。
必死に勉強して合格した人ですら半分以上の人は行政書士に登録しないわけですから、行政書士試験の受験生全体でいうと7~8割ぐらいは行政書士になることが目的で受けているというわけではなさそうです。
となると、もし「行政書士という仕事は行政書士を志す人以外は資格を取っても意味がない」という認識が広まると、行政書士関連のテキストや過去問、予備校の売り上げが7~8割減になってしまう可能性がありますよね?
だから、「行政書士は就活・転職に有利」などと言って、より多くの人を受験させようとしているのです。
ま~、実際のところ何の資格を持っていない人と比べると、行政書士の資格を持っている人の方が就活に有利に働く可能性はあるので完全に嘘というワケではないですからね。
ただ、どう考えても圧倒的にコストパフォーマンスが悪いのは明らかです。
1割の大学生には行政書士資格がかなりおすすめ
ここまで、行政書士はコスパが悪いから9割の学生にはおすすめしないと言ってきました。
ただ、これは行政書士がコスパの悪い資格という意味で言っているのではなく、就活の武器として使うにはコスパが悪いという意味で言っています。
むしろ、行政書士という資格は独立開業する上ではコスパが高いと思います。
というのも、行政書士は失敗しにくいビジネスの中では、比較的簡単に始められるからです。
詳しくは『【朗報】行政書士で独立開業すると他のビジネスより成功しやすい理由』の記事に書いていますが、行政書士のような士業のビジネスモデルは、失敗しにくいビジネスの条件を備えていいます。
そして、その士業の中でも行政書士は独立開業しやすい資格で、しかも他の独立開業可能な資格と比較しても難易度はそこまで高くないのです。
さらに、行政書士業界の平均年齢はかなり高く、50代後半などと言われたりもするので、大学生のように若いというだけで他のライバル行政書士と差別化できるのです。
また、ネットネイティブの大学生であれば、ネット集客などの導入も比較的抵抗なくできるという点もメリットだと思います。
つまり、行政書士として独立開業したい大学生にとっては行政書士資格の取得はかなりおすすめだと言えます。
まとめ
行政書士試験を受けようと思っている大学生の9割には行政書士資格はおすすめしません。
理由はここまででも言ってきた通り、ほとんどの大学生が求めているような就活への優位性が行政書士という資格にはないからです。
なので、就活を有利にしたいのであれば「行政書士試験に合格したら就活に有利」というような情報に惑わされず、行政書士試験の勉強に費やす予定だった時間を、別の努力に費やした方が就活には役立つと思います。
そして、逆にもしあなたが行政書士試験に合格後に、行政書士として独立開業をしたいと考えている大学生であれば、行政書士は独立開業する場合に他の資格と比較してもコスパがいいので行政書士試験の受験はかなりおすすめだと思います。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所