この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
「行政書士試験を受けてみようかな?」って思った時に、気になるのが行政書士試験に合格するために必要な勉強時間の目安ですよね?
中には、“人によって必要な勉強時間は違う”とか、“勉強は量より質が大切”といって、勉強時間の目安という考え方自体を否定する人もいます。
しかし、そんなことはみんなわかっているわけで・・・・
というかむしろ、わかった上で合格までに必要な平均勉強時間を知ることで行政書士試験がどれぐらいの難易度なのかを確かめているんですよね。
実際、私も行政書士試験を受験する前に合格するにはどれぐらいの勉強時間が必要なのかの目安を知るためにネットでいろいろ検索しました。
すると、「100時間~250時間」という短時間で合格できたという意見もあれば「600時間~1000時間」は必要という人もいて、どれが正しい情報なのかわかりませんでした。
しかも、勉強時間の目安が何を根拠に示されているのか一切明かされおらず、どこまで信ぴょう性のある情報なのかイマイチ納得できない点が多い。
ネットで信ぴょう性のある情報がないのならということで、自分を実験台にして実際に行政書士試験で合格するにはどれぐらいの勉強時間が必要なのかを計ってみることにしました!
そして、行政書士試験に合格するまでの時間を実際に計ってみた結果、1021時間の勉強で合格することができました。
また、自分の勉強時間に対する模試の得点推移から、行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安は800~1000時間だと個人的には感じました。
以下では、私が実際に行った勉強時間と模試の得点推移や、行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安が800~1000時間だと考える理由について詳しく紹介していきます。
▼記事の内容はYouTubeでも解説しています▼
行政書士試験に合格するには目安として800~1000時間は必要
行政書士試験の合格に必要な勉強時間についてネットで調べていると、「100時間~250時間」とか「600時間~1000時間」といった何となくの時間は紹介されているのですが、実際に合格までの勉強時間を計って結果を紹介している人はほとんどいませんでした。
確かに、勉強する前から合格するまで毎日勉強時間を計るなんて面倒なことをする物好きはあまりいないでしょうからね。
ただ、私は実際に勉強時間を計った人のリアルな意見を知りたい思ったし、そういった情報はかなり価値があると思って自分を実験台にして試してみることにしました。
勉強時間 | 模試名 | 点数 | 偏差値 | 順位 | 評価 |
183時間 | LEC到達確認模試第1回 | 120点 | 43.5 | 504/718 | C判定 |
255時間 | LEC到達確認模試第2回 | 138点 | 46.6 | 508/832 | C判定 |
393時間 | LEC全日本行政書士公開模試 | 158点 | 53.0 | 471/1238 | B判定 |
479時間 | LEC全日本行政書士公開模試(第2回) | 154点 | 56.5 | 283/1321 | B判定 |
526時間 | TAC直前予想(第1回) | 140点(※記述抜き) | ー | ー | ー |
603時間 | LECファイナル模試 | 172点 | 59.5 | 243/1651 | B判定 |
689時間 | TAC直前予想(第2回) | 180点(※記述抜き) | ー | ー | ー |
773時間 | LEC厳選!直前ヤマ当て模試 | 192点 | 56.5 | 214/845 | A判定 |
857時間 | TAC直前予想(第3回) | 170点(※記述抜き) | ー | ー | ー |
988時間 | フォーサイト行政書士試験模試 | 212点(※記述抜き) | ー | ー | ー |
1021時間 | 本試験 | 182点 | ー | ー | ー |
上記の※は記述なしでの得点の表記となっています。自宅受験なので記述問題の正確な採点が難しいので、マークのみの採点としています。
上記の表は私が実際に行政書士試験の勉強初日から行政書士試験の当日までの勉強時間と模試の得点推移です。(勉強時間は座学だけではなく、移動時間などの隙間時間の勉強も含んでいます。)
これを見てもらうとわかるのですが、600時間を超えたぐらいから合格基準点である180点前後の得点が取れるようになっていることが分かります。
恐らく、こういった理由から行政書士試験に必要な勉強時間は600時間程度と言われたりするのでしょうね。
ただ、私の個人的な見解としては、行政書士試験の勉強時間は600時間では足りないと感じました。
なぜなら、600時間というのはあくまでも合格できるかどうかのギリギリラインなので、問題の難易度によっては不合格になる可能性がかなり高いからです。
私は600時間以上勉強してから模試を5回受験し、その内4回は合格基準点である180点を上回っていますが、本試験は183点とギリギリで合格でした。(自宅受験の模試の記述の得点は10~20点程度で換算。)
恐らく、私が600時間しか勉強していなければ合格できなかったと思います。
アンケート結果からも行政書士試験の勉強時間は1000時間が目安となる
上記では私の勉強時間と模試の点数の推移から行政書士試験に合格するには800~1000時間を目安にするのが良いと紹介しました。
ただ、このデータはあくまでも私の学力への依存が高いので他の人の場合にはもっと短い時間で合格出来るかもしれません。
実際、私は小中高大と特に勉強が得意だったわけでもないので、一般的な学力だと自分では認識しているのですが確証はありません。
しかし、大手通信講座であるフォーサイトが実施しているアンケート結果からも合格の目安が800~1000時間程度は必要という事が分かります。
大手通信講座であるフォーサイトは2016年の行政書士試験合格者に対してアンケートを実施し、「合格率10%以下の難関資格「行政書士」試験に合格した人の傾向を発表」というデータを公表しています。
そのアンケート結果には以下のようなデータが紹介されています。
行政書士試験合格者の学習開始時期
学習開始時期 | 合格者人数 | 割合 |
試験前2~4カ月 | 6人 | 3.7% |
試験前4~6カ月 | 23人 | 14.0% |
試験前6~9カ月 | 48人 | 29.3% |
試験前9~12カ月 | 55人 | 33.5% |
試験前1~1年半 | 15人 | 9.2% |
試験前1年半~2年 | 6人 | 3.7% |
試験前2年以上 | 11人 | 6.7% |
合計 | 164人 | 100% |
参照リンクフォーサイト:合格者アンケート
上記のデータをもとに、行政書士試験合格者が学習した期間の平均を算出すると10.3カ月となります。
行政書士試験合格者の平日と休日の平均勉強時間
平均学習時間 | 平日 | 休日 | ||
合格者人数 | 割合 | 合格者人数 | 割合 | |
勉強しなかった | 1人 | 0.6% | 2人 | 1.2% |
1時間未満 | 15人 | 9.2% | 6人 | 3.7% |
1~2時間程度 | 58人 | 35.4% | 20人 | 12.2% |
2~4時間程度 | 63人 | 38.4% | 50人 | 30.5% |
4~6時間程度 | 21人 | 12.8% | 42人 | 25.6% |
6~8時間程度 | 5人 | 3.1% | 33人 | 20.1% |
8~10時間程度 | 0人 | 0% | 10人 | 6.1% |
10時間以上 | 1人 | 0.6% | 1人 | 0.6% |
合計 | 164人 | 100% | 164人 | 100% |
参照リンクフォーサイト:合格者アンケート
上記のアンケートデータをもとに、行政書士試験合格者の1週間の勉強時間の平均を算出すると22.3時間となります。
という事はアンケートに答えた合格者164人の平均としては・・・
44.1週間(10.3カ月)×22.3時間=983.4時間となります。
アンケートの回答数が164人という事なのでデータの母数としては若干少ないような気もしますが、それでも私の経験による体感と近い数字となっています。
行政書士試験の出題範囲のテキストの量は約2000ページもある
行政書士試験の勉強時間が800~1000時間かかる理由としてもう一つ挙げられるのが、行政書士試験の勉強で使用するテキストのボリュームです。
例えば、行政書士試験の出題科目は[基礎法学・憲法・民法・行政法・商法・一般知識]の6科目です。
そして、これらを勉強する際に使用する教科書のボリュームはザックリいうと以下のような感じです。
行政書士試験の出題科目
- 基礎法学・・・115ページ
- 憲法・・・271ページ
- 民法・・・514ページ
- 行政法・・・486ページ
- 商法・・・167ページ
- 一般知識・・・284ページ
上記は私が実際に使用していた通信講座のフォーサイトの教科書のボリュームだけですが、テキストだけで2000ページ以上のボリュームがあるので、一通り読んで内容を理解するだけでもかなり時間が掛かります。
単純計算で仮に1ページ勉強するのに5分しか費やさなかったとしても2000ページこなすのに170時間近く掛かってしまいます。
更に、行政書士試験の勉強はテキストだけではなく過去問も使用するので、過去問を合わせると4000ページ近いボリュームとなります。
法律の初学者であれば1度読んだだけではほとんど理解できないので何度もテキストを読むことになりますが、そう考えるとインプットの時間だけでも相当な時間を費やす必要が出てきます。
行政書士試験の勉強時間が200~300時間で合格する人もいるけど圧倒的少数
冒頭でも紹介したように、ネットで行政書士試験の合格に必要な勉強時間を調べると「200時間~300時間」というような600時間以下で合格している人もいるようです。
そして、そういった方たちは「行政書士試験に合格するのに600時間もいらない」、「生徒欲しさに予備校が難しいと言っているだけ!」、「アフィリエイト報酬が欲しくて通信講座を購入させる口実」というように言っています。
実際に法律初学者でも200~300時間で合格出来る人も中にはいるかもしれません。
ただ、法律初学者が200~300時間で合格できる人というのは受験者の圧倒的少数で、私の周りの行政書士試験の合格者の話を聞いても初学者で200時間~300時間前後で合格したという人は聞いたことはありません。
もし、あなたが行政書士試験に合格したいのであれば、そういった圧倒的少数の意見を参考にしない方がいいですよ。
ま~、実際に勉強を始めてみると「200~300時間で合格するのは厳しい」と、すぐに言っていることが理解してもらえると思いますが・・・。
少ない勉強時間で行政書士試験に最短合格する為にすべき3つのこと
ここまで、行政書士試験に合格するのに必要な勉強時間について800~1000時間は必要というように紹介してきました。
しかし、行政書士試験を受ける人の大半は会社で働いていたり、家事や育児をしている主婦の人だったりと忙しい中で勉強しなければいけないので、なかなか上記のよう勉強時間を確保出来る人も少ないです。
では、そういった忙しいと人はどうすればいいのかというと、以下の3つのコトを実践することで最短合格へ近づけます。
最短合格するためにすべき3つのこと
- 効率的な勉強法を最大限に活用する
- 隙間時間を最大限に活用する
- 予備校やオンラインスクールを活用する
効率的な勉強法を最大限に活用する
実は勉強において多くの人が誤解していることがあります。
それは試験勉強には頭の良い・悪いはあまり関係ないということです。
といっても、今までの人生で高校受験や大学受験、資格試験などで思うような結果を出したことがない人からすると「え?何いってんの?」と思われるかもしれません。
でも、それは頭が悪いからテストでいい点を取れなかったのではなく、勉強の仕方が悪かったから点数が取れなかっただけなのです。
隙間時間を最大限に活用する
現代人の1日の平均隙間時間はどらぐらいあると思いますか?
実は1日で1時間9分あると言われます。
ということは、この隙間時間が1カ月で34.5時間、3カ月で103.5時間、6カ月で207時間、10か月で345時間です。
ここで、先ほど紹介した行政書士試験の合格に必要な勉強時間を思い出してください。
仮に、合格者の平均学習期間である10か月間の隙間時間を勉強に費やした場合、1/2~1/3程度の時間になるんです。
しかも、最近はスマホを利用して勉強することが可能なので、これを利用しない手はないですよね。
通信講座を活用する
行政書士は難関資格として有名な弁護士や司法書士などとは違って完全独学で勉強して合格することも不可能ではありません。
ただ、個人的には独学での勉強はおすすめしません。
なぜなら、圧倒的に効率が悪く、時間を無駄にする可能性があるからです。
行政書士試験を受ける目的は人それぞれですが、趣味で行政書士試験を受ける人以外は行政書士資格の取得はゴールではなく通過点だと思います。
半年~1年の勉強で行政書士試験に合格した人と、2~3年かけて行政書士資格を取得した人の資格の重みに違いはありません。
であれば、出来るだけ早く合格した方がいいに決まっています。
勿論、金銭的なことも関わる問題なので一概には言えませんが、もう一年間(600~1000時間)勉強することを考えると、その600時間~1000時間の時間を購入するという意味では決して高い買い物ではないと思います。
仮に、時給が800円だとしても600時間~1000時間働けば48~80万ぐらいになりますからね。
つまり、行政書士試験に1回で合格するのと、2回目以降で合格するのでは最低でもそれぐらいの差があると言えます。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安まとめ
最後に今回の記事を簡単にまとめておきます。
ネットでは行政書士試験の合格に必要な勉強時間は600~800時間程度と言われていますが、実際に私が勉強時間を計って受験した結果から判断すると800~1000時間程度を目安にするのが良いと思います。
理由としては、模試の結果のところでも少し紹介したように600時間の勉強でも合格は不可能ではありませんが、600時間だと不合格になる可能性は結構高いと感じたからです。
また、行政書士は完全独学でも合格することは可能ですが個人的にはおすすめしません。
完全独学をおすすめしない理由は以下の記事で詳しく解説しているので確認してみてください。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所