この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
最近では大手企業で副業解禁の流れが広がっていて、副業ブームが起こっています。
そして、そういった副業ブームの中で何か資格を取得して仕事ができないかと考えた時に、よく例として挙がるのが行政書士です。
なぜなら、行政書士は独立開業できる資格の中では、比較的難易度が低く、資格を取得すると会社員をしながら週末起業ができると紹介されたりするからです。
でも、ハッキリ言って99%以上の人は行政書士で副業・小遣い稼ぎをすることはおすすめしません。
理由は、行政書士の資格を取得して副業・小遣い稼ぎをするというのは圧倒的に割に合わないからです。
以下では、行政書士を副業・小遣い稼ぎですることをおすすめしない5つの理由について詳しく解説していきます。
▼記事の内容はYouTubeでも解説しています▼
理由その1
行政書士の副業を勧めている人の
大半は予備校・通信講座の販売が目的
ネットで行政書士の副業に関して調べてみると、行政書士の副業・小遣い稼ぎをすすめているサイトやブログが結構多いです。
しかし、そういったサイトやブログで書かれている内容は信用しないでください。
なぜなら、その記事を書いている人は行政書士の副業経験が一切ないのに、行政書士として副業することを勧めているからです。
それって、『ハワイに行ったことない人が、旅行に行くならハワイおすすめですよ!』って言っているのと同じで、全く説得力がないんですよね。
因みに、行政書士をしている人の中には、会社員をしながら週末行政書士として成功している人もほんのごくわずかにいるみたいですが、ほぼ99%の人は失敗すると思います。(理由その5で詳しくは理由を解説します。)
では、なぜ99%の人が失敗するにもかかわらず、ネットでは行政書士になって副業で稼ぐことを勧めているかというと、行政書士の資格取得にまつわる予備校や通信講座を販売したいからです。
なので、そういった良い部分だけしか紹介しないような旨い話に騙されないように注意してくださいね。
理由その2
行政書士の資格取得に
800~1000時間の勉強が必要
冒頭でも話したように、行政書士という資格は弁護士や司法書士等の独立開業が可能な超難関資格と比較すると、確かに資格を取得する難易度は優しいと言えます。
しかし、行政書士は世間一般的には難関資格と言われる資格の一つであり、決して誰でも簡単にすぐに取得出来る資格ではありません。
例えば、行政書士試験の合格に必要な勉強時間は一般的に600~8000時間と言われています。(個人的には800~1000時間は必要だと思います。)
もちろん、資格の勉強をしている時間はお金は発生しないので無報酬で600時間~800時間を資格取得の勉強に費やさなければなりません。
これは、仕事をしながら試験勉強をする場合に、1年~1年半ぐらいの期間が必要という計算になります。
しかも、予備校や通信講座を利用した場合には数万円~数十万円の勉強する費用が必要となります。
また、600~800時間勉強すれば確実に受かるというわけではなく、試験に落ちる可能性も普通にあるので、落ちた場合にはもう一年勉強しなければいけなくなってしまいます。
もちろん、そこで資格の取得を諦めてもいいのですが、そうなるとせっかく資格取得に費やした600~800時間の努力が水の泡になってしまう可能性があるわけです。
それであれば、資格取得に費やした600~800時間をアルバイトなどの副業・小遣い稼ぎに費やしていれば、時給800円でも50~700万円を稼げたかもしれません。
理由その3
行政書士のを開業するのに
最低でも30万円程度必要
行政書士試験に合格しただけでは行政書士業務を行う事はできません。
では、一体どうすれば行政書士業務を行う事が出来るのかというと、自分の住んでいる都道府県の行政書士会に入会する必要があるのです。
そして、この行政書士会に入会する際に、登録料やら会費やら登録免許税やらいろいろな費用が必要となり、トータル的には25~30万円程度必要になります。
つまり、行政書士の業務をする為だけに初期費用として最低でも25~30万円程度を先に支出しなければならないわけです。
副業・小遣い稼ぎでお金を稼ごう思って行政書士をするのに、その行政書士の仕事をするために先に多額のお金を支払わなければならないわけです。
アルバイトなどの副業では働いたら働いた分だけプラスになりますが、行政書士を副業で始める場合にはマイナスからスタートしなければなりません。
理由その4
行政書士には月会費が
毎月7,000円程度かかる
行政書士は行政書士会に登録すれば後はお金が掛からないのかというと、そういうわではありません。
自分が所属する行政書士会によって若干の差があるのですが、毎月6000~7000円程度の会費が必要となります。
ということは、何もしなくても年間で72,000円~84,000円程度の支出が確定するわけです。
さらに、会費だけであればそれほど大きくないかもしれませんが、行政書士事務所を開業するということは起業することと同じです。
つまり、普通の会社と同じように電話回線を引いた、ホームページを作成したりなど、いろいろと費用が当たり前のように必要です。
理由その5
開業したからと言って
稼げるわけではない
行政書士の仕事というのは行政に提出する書類の作成代行や契約書作成代行などをメインの業務として行います。
だからと言って、行政書士として開業したからと言ってすぐに仕事の依頼があるわけではなく、仕事の依頼は自ら取ってこなければなりません。
実際に、行政書士として独立開業した人の中には、開業してから3カ月ぐらいは全く仕事の依頼がなかったという人も珍しくありません。
ということは、専業の人よりも行政書士の業務に時間を割けない副業・小遣い稼ぎの人であれば、専業の人以上に仕事を獲得する難易度は高いと言えます。
因みに、行政書士という資格は総務省管轄の資格なのですが、総務省調べによると毎年新規で登録した人の70%の人が1年で行政書士の登録を抹消するそうです。
行政書士試験の合格率というのは毎年10%前後なのですが、合格者の半数程度が行政書士として登録し、そのうちの7割の人が翌年には行政書士を辞めているというわけです。
恐らく、残りの3割の人の中に他の資格とのダブルライセンスとしての副業であれば多いかもしれませんが、一般の会社員としての副業で行政書士をしている人はほとんどいないと思います。
つまり、100%無理というわけではありませんが、99%の会社員の人は副業・小遣い稼ぎとして行政書士を始めたとしても失敗に終わる可能性が高いです。
【まとめ】
行政書士を副業・小遣い稼ぎでやると
99%失敗する
副業というとサクッと簡単に稼げるようなイメージに聞こえてしまいますが、ビジネスの世界はそんなに甘いものではありません。
それこそ、誰にでもできるのであれば、たった1年で登録者の7割が辞めるはずはないですからね。
ただ、だからと言って行政書士というビジネスが稼げないわけではありません。
むしろ、行政書士という職業は他のビジネスと比べてかなり成功しやすいビジネスなので、何かのビジネスで起業したいのであればおすすめです。
だから、副業としてやっている間に利益を上げて軌道に乗せるのは相当難易度が高いですが、もしあなたが将来的に独立してビジネスをしたいというのであれば、サラリーマンとして副業で行政書士しながら独立の準備をするという選択肢もアリだと思います。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所