この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
「資格は利権、天下りシステム、既得権益を守る仕組みで、アホな参入規制を作り出している」と指摘しているホリエモンこと堀江貴文氏。
そんな資格不要論を唱えるホリエモンですが、取った方がいい資格として行政書士を挙げていると噂を聞きました。
そこで、本当にホリエモンがそんなことを言っているのかを調べてみると、堀江貴文氏著の「君がオヤジになる前に」で取っておくとおいしい資格として行政書士を挙げていることがわかりました。
ただし、その書籍の内容をじっくり読んでみると、ホリエモンが行政書士を挙げている理由は行政書士という職業が有望だからではなく、法律に携わる仕事をする上で役にたつという理由で薦めているのではないかと私は感じました。
以下では、ホリエモンがおいしい資格として行政書士を挙げた経緯や理由などについて詳しく考察していきたいともいます。
ホリエモンの書籍で
取っておくとおいしい資格として
行政書士が挙げられている
ホリエモンが資格不要論を唱えていることは以前から知っていたのですが、そのホリエモンが取った方がいい資格として行政書士を挙げているという噂を耳にして少し驚きました。
そこで、どのような理由で行政書士を取った方がいいと言ったのかが知りたくて、ネットでその内容について詳しく調べたのですが、その噂の内容がイマイチ曖昧で分かりませんでした。
ただ、唯一分かったことは堀江貴文氏著の「君がオヤジになる前に」でとっておいておいしい資格として行政書士を挙げているということです。
というわけで、早速その書籍を購入して読んでみることにしました。
すると、確かに書籍で以下のように言われていました。
資格がなくても稼ぐことは可能だ。
とはいえ、取っておくとおいしい資格は、ないわけじゃない。
行政書士や司法書士などの法律系の専門資格だ。
引用:堀江貴文. 君がオヤジになる前に (Kindle の位置No.888-889). . Kindle 版.
恐らく、上記がネット上で「ホリエモンが行政書士を薦めている」という噂になった根拠だと思われます。
ホリエモンは行政書士という
職業を薦めているわけではない!
ただ、私はホリエモンが行政書士という“職業”を薦めているわけではないと個人的には解釈しました。
なぜなら、その後に弁護士という仕事について以下のように言及しているからです。
もちろん、医師免許や弁護士免許は強く、最短ルートで独立開業できる利点があるけれど、今はどちらも簡単には儲からない構造だから一概にいいとも言えないだろう。社会問題にもなっているが、仕事がなくて食い詰めている弁護士はたくさんいるというのが現実だ。
引用:堀江貴文. 君がオヤジになる前に (Kindle の位置No.901). . Kindle 版.
ハッキリ言って、資格の難易度から考えると資格を取得して独立開業できる最短ルートは行政書士です。
しかし、ここでは医師や弁護士が独立開業の最短ルートだと言っているということは、行政書士の資格の文脈に関しては独立開業して行政書士として働く前提で挙げていないということが考えられます。
また、実際に食えない行政書士の数というのは弁護士の比ではないので、弁護士になったとしても簡単に儲からないのであれば、行政書士がそれ以上に簡単に儲かるはずはありません。
因みに、補足をしておくと弁護士は行政書士試験を受けずとも行政書士会に登録することで行政書士として業務ができるので、行政書士の資格だから稼げるというロジックも成り立ちません。
これらの内容からホリエモンがおいしい資格として行政書士を挙げたのは、行政書士という職業自体がおいしいから挙げたのではないということが読み取れると考えました。
ホリエモンが行政書士は
おいしい資格と語るワケ
では、行政書士という職業がおいしいから挙げたのではないとなると、どういった理由でホリエモンは行政書士を挙げたのでしょうか?
そのワケを知る上では、上記で紹介した「行政書士や司法書士などの法律系の専門資格だ。」の後に続く文章が重要となってきます。
実は、「行政書士や司法書士などの法律系の専門資格だ。」という文書の後にこう続きます。
そして、政策秘書を目指す選択はありだと思う。
引用元:堀江貴文. 君がオヤジになる前に (Kindle の位置No.888-889). . Kindle 版.
つまり、政策秘書を目指す上で、行政書士や司法書士といった法律の専門資格を取得することを推奨しているのではないかと考えられるわけです。
確かに、「行政書士や司法書士などの法律系の専門資格だ。」の部分だけを切り取ると、行政書士という職業が有望だから挙げられているように感じますが、その後に「そして、政策秘書を目指す選択はありだと思う。」が続くのであれば一気に意味は変わります。
ホリエモンが薦めているからという
理由だけで安易に目指すのは
辞めた方がいい
ホリエモンは先見性があるので、ホリエモンが「行政書士はおいしい」と言っているから行政書士になっておけば間違いないと、噂を安易に信じで行政書士になるのは絶対に辞めた方がいいです。
なぜなら、上記でも触れているように、弁護士ですら簡単に稼ぐのが難しくなってきている時代に、行政書士で簡単に稼げるはずはないからです。
しかも、仮に私の認識が間違っていて、ホリエモンが行政書士という職業がおいしいと考えていたとしても、上記で紹介している書籍というのは「君がオヤジになる前に」は2013年に出版されている書籍なので最新の見解ではありません。
実際に、2018年に堀江貴文氏と落合陽一氏の共著「10年後の仕事図鑑」では、10年後になくなる仕事・減る仕事として弁護士や会計士、税理士、社労士などの法律関係の仕事が挙げられています。
つまり、それらの法律系資格と同じジャンルに分類される行政書士は10年後にはなくなる可能性があるわけで、ホリエモンが取った方がいい資格で行政書士を挙げたという噂だけを真に受けて目指しても、その先に生き残っていくのは厳しいのでおすすめはしません。
個人的には行政書士という資格は
独立開業するならおすすめの資格
ここまでは書籍に書かれている内容を参考に、ホリエモンがどのような理由で行政書士がおいしいと言ったのかについての考察内容を紹介してきました。
しかし、ここからは行政書士に関する個人的な見解を述べさせてもらいたいと思います。
恐らく、ホリエモンは行政書士という職業が有望だから行政書士という資格をおすすめしているわけではないと思います。
ただ、あくまでも私の個人的な見解として行政書士はおすすめな資格だと思います。
理由は行政書士というビジネスモデルがホリエモンのいう失敗しにくいビジネスモデルだと思うからです。
実は、ホリエモンは自身のブログで以下のようなことを書いています。
私は起業するに当たって、自分の好きな商売ではなく確実に上手くいく商売から始めたほうがいいと言っている。具体的には、
利益率の高い商売
在庫を持たない商売
定期的に一定額の収入が入ってくる商売
資本ゼロあるいは小資本で始められる商売をやればほぼ確実にうまくいくと指南してきた。
そして、行政書士の仕事はこの4つの条件すべてに当てはまるビジネスモデルだと思います。
なぜ、行政書士がこの4つの条件に当てはまるのか詳しく知りたい人は『【朗報】行政書士で独立開業すると他のビジネスより成功しやすい理由』の記事を確認してみてください。
因みに、これら4つの条件を満たす資格は行政書士以外にも、弁護士や司法書士、公認会計士、税理士、社労士などの士業がありますが、その中でも最も資格取得の難易度は低いのが行政書士なのです。
つまり、失敗しにくいビジネスモデルとして独立開業できる士業の中では最も簡単に資格を取得できるのが行政書士だからおすすめだというわけです。
まとめ
ネット上ではホリエモンが行政書士を薦めているという情報が出回っていますが、その話の出どころとなる書籍を読んだ限りではホリエモンが行政書士という職業の有望性を前提にした発言ではないと個人には判断しました。
ただ、行政書士という仕事は失敗しにくいとビジネスモデルなので、独立開業したい人にとってはおすすめの資格だと個人的には思います。
ま~とは言うものの、今後はAIが発達していく中で行政書士の仕事というのは確実に減っていくことが予想され、今まで以上に行政書士として生き残ることは難しい時代になっていくことでしょう。
となると、行政書士という資格だけに頼らず、行政書士という資格をいかして自分にしか出来ない仕事を自分自身で作る力が今後は求められることなるのではないでしょうか。
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長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所