この記事を書いた人
行政書士兼ウェブマーケター。ナガシマガジン運営者。サラリーマンとして働きながらウェブマーケティング会社を起業し独立。更にその後、仕事をしながら5カ月の勉強期間で行政書士試験に一発合格し、行政書士事務所を開業。
よく、『行政書士は開業してから3年は我慢』と言われるように、新人行政書士がそれなりにの収益を出すまでにはある程度の時間がかかる傾向にあります。
これは、『【食えないのは当たり前!?】行政書士が食べていけない本当の理由』の記事でも書いたとおり、マーケティングが出来ない人が多いからです。
ただ、マーケティングと言っても、一朝一夕で身に付けられるような簡単なものではありません。
では、新人行政書士がスタートダッシュを切る為にはどうすればいいのでしょうか?
それは、成功事例を徹底的にモデリングする事だと私は思います。
特に、これまでに自分でビジネスをした経験がない場合には、かなり有効な手段ですので、実践してみる事をおすすめします。
短期間で成果を出すならモデリングは必須
例えば、ある山の頂上を目指す時に2つのルートがあったとします。
- 誰も行ったことがないけど自分が頂上にたどり着けそうだと思うルート。
- 既に誰かが頂上にたどり着いたルート。
この場合、どちらの方が頂上にたどり着ける可能性が高いですか?
もちろん、後者ですよね!
では、次の例ではどちらの方が成果が出しやすいでしょうか?
- 新人行政書士が思い描くビジネス戦略
- 数々の失敗を繰り返して成功した行政書士のビジネス戦略
これも、ほぼ間違いなく後者の方が成果が出しやすいです。
こうやって、具体例を挙げると当たり前のようにわかるのに、いざ自分のビジネスに置き換えると前者を選んでしまう人が多いです。
しかし、新人行政書士が出来るだけ早く成果を出すには既に成果を出されて先輩方の成功例を徹底的にモデリングするのが一番の近道なのです。
多くの人がモデリングをしない理由
上記のように、どう考えても成功例をモデリングした方が圧倒的に早く成果を出せるのに、多くの人はモデリングをしません。
なぜ、モデリングをしないかというと、恐らく、小さな頃から「人のマネはダメ!」「オリジナリティが大事」などと教育されてきたからだと思います。
ただ、ハッキリ言って、こういった教育は「マネ」や「オリジナリティー」を履き違えています。
パクるとマネるは違う!
マネと言うと、「マネる=パクる」とイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、「マネる」と「パクる」は全く別物です。
そもそも、「まねる(真似る)」は「まなぶ(学ぶ)」と同じ語源だと言われています。
つまり、教えを受けて知識を身につけるという意味が少なからず含まれています。
一方で、パクるというのは、表面上・上部だけを似せて、同じような結果を得ようとすることです。
そこに、教えや知識などはなく、単純に自分の利益目的でアイデアなどを盗んでいます。
つまり、「人のパクり」は確かにダメですが、「人のマネ」は人から学ぶことなので良いことだと言えます。
0からオリジナルを
生み出すのは不可能
そして、はじめからマネをせずに、自己流でオリジナリティを求めると、失敗する可能性が極めて高いです。
なぜ、失敗する可能性が極めて高いのかと言うと、成功者の殆どが成功事例のマネからはじめて、少しずつ時間を掛けて成果を積み上げ、ようやくそこでオリジナリティを生み出すことができるようになるものだからです。
つまり、何の実績もない人が、0からいきなりオリジナルで成果を出すというのは、ほんの一握りの天才以外は不可能なのです。
例えば、天才の代名詞ともいわれる〝あのモーツァルト〟ですら、幼少時代は他人の曲をマネして作詞していたと言われます。
つまり、歴史に残る天才音楽家ですら、初めからオリジナルな名曲を生み出せなかったわけなのですから、ほとんどの人は初めからオリジナルを目指すべきではないのです。
因みに、「守破離」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
- 守・・・型を守る
- 破・・・型を破る
- 離・・・型を離れる
これは、茶道や武道などの修行のプロセスを表した言葉ですが、“型を守る”というのは“型を真似る”ことであり、“型を破る”とは“自己流にアレンジする”ことであり、“型を離れる”とは“オリジナルを生み出す”ことを意味します。
つまり、茶道や武道などの“道”を究めるための修行においても、「守(真似る)という基礎があって、破⇒離(アレンジ⇒オリジナル)」へと昇華するのが一般的な順序なのです。
ですから、初めは成功事例をモデリングし、ある程度成果が出た段階でアレンジを加え、最終的にオリジナルの戦略を構築していくのが正しい順序なのではないでしょうか?
短期間で成果を出すための
モデリングの手順
ただ、「モデリングをすべき」と言っても、具体的にどのようにすれば良いのかわからないと思います。
そこで、私が誰かをモデリングする時の手順を紹介していきたいと思います。
モデリングの対象を見つける
まずは、自分の目標となるモデリングの対象を探します。
ネットはもちろんですが、書籍やYouTubeなど、様々なメディアを使って、自分の目標となる人を探し出してください。
因みに、3〜4時間ぐらい調べた程度で、モデリングの対象を決めないでくださいね!
モデリング対象は、短期的な“ゴール”になるわけですから、そのゴール選びが間違っていると遠回りになってしまいます。
ですので、モデリングの対象を見つける時は最低でも2~3日(出来れば一週間ぐらい)使って、徹底的にリサーチしてみて下さい。
ネットだと、ブログをやっている行政書士の先生も多いので、片っ端からブックマークしていきます。
又、最近ではユーチューブを配信している方も多いので、気になる人は全てチャンネル登録します。
更に、大きな書店に行って、行政書士の先生が執筆している書籍を全て手に取り、気になる書籍は全部購入します。
それだけ色々なタイプの行政書士を見ると、自分の理想となるような方もいるはずなので、その人をモデリング対象にします。
モデリング対象が
何をしたのかを調べる
モデリングの対象が決まったら、次はその人が成果を出すまでに実践してきたことを徹底的に調べていきます。
具体的には、その人がブログを書いているので有れば、すべての記事を読み、Twitterをしているので有ればすべてのツイートを確認し、ユーチューブをしているのであれば全ての動画を見るというような感じです。
また、中には書籍を出版している人もいると思うので、その人が出版している書籍は全て買って読みます。
恐らく、今の時代、ある程度の結果を出されている方は、何らかの情報発信をしている可能性が高いので、その人が発信した情報を全て確認するのです。
大切なのでもう一度言いますが、その人が発信した情報全てです。
そうする事で、モデリング対象となる人が成果を出すまでにどんな事を勉強したのかや、どんな事を実践してきたのかが分かります。
成果を出すために
必要な行動をまとめる
次は、上記で調べた情報をもとに、モデリング対象が実践してきた行動をまとめていきます。
例えば、以下のようなイメージです。
- 20万円でホームページを作成した
- 1日で飛び込み営業を20件回った
- 無料セミナーを月に4回開催した
- 広告費に50万円使った
- 月に10冊本を読んで勉強した
- 月に10回セミナーに参加した
- 異業種交流会に参加した
などなど、その人が行政書士として成果を出すうえで実践してきたことや、実践することを推奨していることをまとめます。
いつまでに実践するのかを決め
週間行動計画表を作成する
成果を出すまでの行動がまとまれば、それぞれの行動をいつまでにやるかを決めていきます。
人は時間に制約を設けることで、スピードを意識して行動できるようになるからです。
そして、いつまでにやるかが決まれば、後はその行動を達成するために計画表を6カ月⇒3ヶ月⇒1カ月⇒1週間と作成していきます。
そして、その計画表の通りに実践すれば、既にモデリング対象が成果を出した方法なので、成果が出る可能性が高いというわけですね。
モデリングをする上での注意点
モデリングをすれば、短期間で結果を出す事ができます。
ただ、それにも関わらず、短期間で成果を出せている人というのは、かなり少ないです。
それは、そもそもモデリングを実践している人が少ないということもありますが、モデリングの仕方を間違っている人もかなり多いからだと思います。
ですので、多くの人が失敗に陥りやすいモデリングの注意点についても触れておきます
モデリングをする上での注意点は以下の2つです。
- 実現可能なレベルの人を目標にする
- 自己流にアレンジしない
実現可能なレベルの人を
モデリング対象にする
まず一つ目は、自分の実力でも頑張れば達成できるレベルのモデリング対象を選ぶということです。
モデリングの対象を選択する上で、多くの人は自分のレベルに合っていない人を選択しがちです。
ハッキリ言って、それだと成果が出ないのは当たり前です。
例えば、ガリガリの人が筋肉ムキムキのマッチョになりたいからと言って、いきなり筋肉ムキムキの人がトレーニングで使っている100Kgのベンチプレスを使わないですよね?
でも、ビジネスにおいては、特に実績がない人がいきなり月商100万円、年商数千万円を目指していたりします。
これでは、そもそもモデリング対象が実践した行動を忠実に実践できないので、同じような成果が出ないのは当たり前の話です。
ですので、初めは「自分でも頑張って努力すれば手が届きそうな成果を出している人」をモデリングの対象とするようにしてください。
そして、そこである程度成果が出せたのであれば、その次はもう少しレベルが高い人をモデリングしするというように、少しずつレベルを上げていくようにします。
自己流にアレンジしない
2つ目は、自分に都合のいい部分だけを実践せずに、モデリング対象が実践したことを忠実に実践するということです。
多くの人は、「この人はこう言っているけど、自分はこうした方が良いと思う!」とか、「自分はこれが苦手だからこの部分は実践しないでおこう・・・」というように、自己流にアレンジする傾向にあります。
しかし、これではモデリング対象と同じ成果を得ることは出来ません。
なぜなら、そういった考えはあくまでも「新人行政書士」の戦略であって、成果を出したモデリング対象の戦略とは別物だからです。
例えるなら、三ツ星レストランのシェフがおいしい料理のレシピを教えてくれているのに、自分でアレンジして調味料を加えるようなモノです。
せっかく、短期間で成果を出せるレシピがあるのに、わざわざ自己流にアレンジして料理が不味くなるようなことはしないようにすべきなのです。
だから、戦術の例でいうと、目標とする人は広告費を月に50万円つかったのであれば、自分も50万円使うべきですし、無料セミナーを月に4回開催していたのであれば、自分も4回開催する必要があります。
逆に言うと、これが忠実に実践できないということは、そもそも自分のレベルに合ったモデリング対象ではないので、もう少しモデルとなる人のレベルを下げるべきです。
以上が、新人行政書士が短期間で成果を出す為にすべきことです。
私自身も自分が思い描いている目標にはまだまだ遠く及びませんが、ここまでに紹介したモデリングを実践して、少しずつではありますが着実に成果を出せてきています。
ですので、もしこの記事を読んでいる新人行政書士の方で、なかなか成果を出せずにいる方は是非モデリングを実践することをおすすめします。
まとめ
この記事のまとめ
- 新人行政書士が短期間で成果を出すならモデリングをすべし
- 「パクる」と「マネる」「モデリング」は別物
- モデリングの対象は頑張れば手の届くレベルを選ぶ
- 実践する内容は自己流にアレンジしない
長島 雄太
NAGASHIMA行政書士事務所